「素人集団」がソバ栽培 イノシシ出没荒れ地開墾 みやき町東尾地区

西日本新聞

ソバの花が咲く畑を手入れした東尾蕎麦の会メンバー 拡大

ソバの花が咲く畑を手入れした東尾蕎麦の会メンバー

ネット販売を始めた乾麺「東尾そば」

 みやき町東尾地区で、住民グループが耕作放棄地を整備してソバ栽培に取り組んでいる。農業経験がない人たちが集まり、田畑を荒らすイノシシ対策で始めた「東尾蕎麦(そば)の会」の挑戦だ。4月にはそば粉や乾麺を販売するインターネットサイトも立ち上げた。同会は「町の特産品にしたい」と意気込んでいる。

 東尾大塚古墳近くに点在するソバ畑で今月11日、会員10人ほどが雑草取りなどに汗を流していた。白いソバの花が一面に広がるが、かつては荒れ果てていた。

 茶畑やミカン畑が後継者不足などから耕作放棄地となると、イノシシが出没し、周囲の畑も荒らすようになった。

 地元の住民が4年ほど前、イノシシ対策を話し合った。「土地を荒らしては駄目だ。木を伐採し開墾しよう」というアイデアが出たものの、何を植えたらいいのか分からない。最終的に「開墾地にはソバ」という漠然としたイメージで、ソバに決まった。

 地区内でボランティアを募り、男性24人で東尾蕎麦の会を立ち上げた。退職した60~70代が大半で、農業経験者は2、3人しかいない。ソバの栽培方法はネットを通じて調べたという。

 2016年2月、無償で借りた耕作放棄地30アールの整備を開始。重機も使ったが、木を切り、土を耕す慣れない作業はつらかった。4月に種まきし、5月に満開の白い花を見たとき同会代表の宮原善昭さん(75)は「素人でここまでやれるなんて」と胸がいっぱいになったという。

 6月中旬にソバの実350キロを収穫、そば粉200キロになった。そばを公民館で地区住民たちに振る舞うと「おいしい」と好評だった。秋にもソバを作り、乾麺やそば粉に加工すると、口コミで売れるようになった。

 熱意ある住民を町も後押しした。16~18年度、東尾地区六次産業化事業として計500万円を補助。これまで店頭での乾麺などの販売はなく、会に問い合わせがあれば売っていたが、この補助金を活用してネットでの販売を始めた。

 放棄地の開墾も進み、ソバ畑は400アールにまで広がった。最近はイノシシもあまり寄りつかなくなったという。将来は500アールに広げ、県内各地で耕作放棄地に悩む人たちにソバづくりを伝える考えだ。

 いよいよ本格化した乾麺やそば粉の販売。宮原さんは「日当たりと水はけが良い丘陵地でソバを育てるから、そばの香りとのどごしが良い」と自信をみせる。

   ◆    ◆

 「東尾五割蕎麦16人前」は3350円(税込み、送料別)。そば粉1キロは1250円(同)。

=2019/05/18付 西日本新聞朝刊=

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