潜伏キリシタン祭壇に隠し十字 築160年の子孫宅内部を撮影 天草のネット放送局、世界遺産1周年記念

西日本新聞

世界文化遺産の「崎津集落」に隣接する今富地区。潜伏キリシタンの子孫たちが、土地に根付いて暮らしている 拡大

世界文化遺産の「崎津集落」に隣接する今富地区。潜伏キリシタンの子孫たちが、土地に根付いて暮らしている

“世界最高齢女子アナ”のはるのちゃん(右)と、ローラ・ウェザーヘッドさん。後ろのたんすの上に、潜伏キリシタン時代の祭壇がある 祭壇が納められた棚の戸に描かれた「パテントクルス」と呼ばれる図形

 「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界文化遺産登録1周年を前に、天草市のインターネット放送局「天草テレビ」が、その魅力を世界に発信しようと記念番組を制作している。同局が誇る“世界最高齢女子アナ”はるのちゃんこと大仁田ハルノさん(102)と、オーストラリア出身の外国語指導助手(ALT)ローラ・ウェザーヘッドさん(23)が、古い民家に残る潜伏キリシタン時代の祭壇を取材し、天草弁と英語を交えた国際番組を目指す。

 同遺産の登録は2018年6月30日。県内からは同市河浦町の「崎津集落」が構成資産になっている。潜伏キリシタンの祭壇は、崎津に隣接する今富地区の堀口武光さん(77)宅に伝わり「マスコミ初公開」。収録の様子をNHKも取材、近く国際放送「NHK NEWSLINE」などで紹介する予定という。

 天草テレビの一行は4月下旬、天草市のキリシタン研究家の浜崎献作さん(75)の案内で、先祖が潜伏キリシタンだった堀口さん方を訪問。築約160年の屋敷内部をカメラが初めて撮影した。

 玄関を上がると右奥の部屋に祭壇が二つ。一方がカトリックのもので、もう一方が潜伏キリシタン時代の祭壇だった。潜伏時代の祭壇が納められた棚の左右の戸には、イチョウの葉を4枚組み合わせたような図形が墨で描かれている。昔から伝わっているが「家紋ではない」と堀口さん。

 浜崎さんによると、この図形は「パテントクルス」や「隠し十字」と呼ばれるもの。「潜伏キリシタンを暗示するもので、この家にしか残っていない」

 浜崎さんらの話をウェザーヘッドさんが英語で解説。はるのちゃんは「こげんとこ連れて来てもろて、幸せ。ありがたいこっちゃ」と祭壇に手を合わせた。

 リポーター2人の年齢差は79歳。天草テレビでは「超高齢者と若者、そして天草弁と英語がコラボした楽しい番組に仕上げたい」と話している。同局のサイト(http://www.amakusa.tv/)で6月、公開予定。

=2019/05/18付 西日本新聞朝刊=

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