日田市中津江で森林結婚式 間伐材でベンチ、料理はジビエ

西日本新聞

木漏れ日が照らすバージンロードを父親と歩く田島茉莉さん 拡大

木漏れ日が照らすバージンロードを父親と歩く田島茉莉さん

手作りのベンチから2人を祝福する参列者。手前は森林環境を生かして栽培されている葉ワサビ 引き出物は特注品のスギ製掛け時計

 「面白いことしようと思って」。日田市の林業会社「田島山業」の田島信太郎社長は、ちゃめっ気のある笑顔を見せた。12日、同市中津江村の所有林であった田島社長の長男で同社社員の大輔さん(30)と茉莉さん(34)の結婚式は、森の恵みをふんだんに織り込んだユニークな式だった。優しい木漏れ日に照らされる中で、2人は愛を誓った。

 森の結婚式は東京都出身の茉莉さんが提案し、田島社長が賛同。家族や社員も協力して準備を進めてきた。「森を好きになってもらいたい」。式や披露宴は、国内外から訪れた友人らを森の恵みで歓迎すべく、工夫を凝らした。参列者が座るベンチはスギの間伐材を利用して手作りし、引き出物には特注品のスギ製の掛け時計を贈った。披露宴で並んだ豪華料理は、野菜や果物、ジビエなど9割以上を地元の食材で作った。

 田島社長は「森と人の生活を身近にしたい」と、林業事業の他に、所有林で子どもを招いたキャンプや学生による植林活動などを20年以上続けている。当初は「危ない」と周囲から反対の声もあったが、大きなけがをした参加者はいない。「森は人の生活に欠かせず、森で過ごすと自然のエネルギーを感じて元気になれる」(田島社長)といい、リピーターも多いという。

 結婚式に参加した東京都の渡部夏子さん(33)は「大自然の中で挙式したいと夢を話していた新婦にぴったり。2人がとても幸せそうだった」と話す。田島社長は「みんなが言ってくれた『すてきだった』の言葉が、成功した印。木材の生産場だけでない、新たな森の使い方や価値をこれからも伝えていきたい。手入れの行き届いた森林はパーティー会場として使えますね」と笑って話した。

=2019/05/18付 西日本新聞朝刊=

PR

PR

注目のテーマ