記念ライブを思い出のホールで デビュー35周年 中村 あゆみさん

西日本新聞

笑顔を見せる中村あゆみさん 拡大

笑顔を見せる中村あゆみさん

 昭和の終わり、ラリーの風景を使ったカップヌードルのCMで流れた「翼の折れたエンジェル」(1985年4月リリース)。大ヒットしたこの曲を歌った中村あゆみさんは今年デビュー35周年。東京と大阪、福岡で記念のライブを開きます。故郷・福岡の会場は、彼女にとって忘れられない場所です。

 -35年を振り返って。

 ★中村 いっぱいありすぎて。周年って、活動の密度によって感じ方はいろいろあると思います。私は10年ぐらいお休みしてたりするんで、復帰した後に音楽が楽しくなってきた、ということはありました。若い頃は周りのためと自分のためのバランスがうまくいかなかったことがあったんですが、今はまず私が楽しんでみんなが好きな曲をやるぞ、って。今の方が楽しかったりしますね。

 -ちょっと休んだ、ということが重要だった?

 ★中村 本当は歌手としてこの世界に戻る予定ではなかったんですよ。結婚して幸せになって子どもを何人か産んで…。絵に描いたようなファミリーライフを夢見ていたんですが。人生なかなかうまくいかないですよね(笑)。子どもだけは産めているんで。彼女が三つぐらいの時には、シングルマザーだったので、私。そこからこの業界に戻ってきた時に、好きな音楽はどうの、というより、音楽でどうやって食べさせていこう、って。本来アーティストならお断りするような営業も「やらせてください」って。でも、私がすごく恵まれていたのは、「翼の折れたエンジェル」の世代の方が、テレビ局だったらプロデューサーになっておられて声をかけていただいたり、企業の方でもいろんなところに呼んでいただくのに社長さんや役員さんや部長さんなど結構融通が利く立場でおられたり、あと青年会議所の方にも。私が子供を育ててこられたのは、「翼の折れたエンジェル」世代の方みんなで応援してくれたおかげです。今年無事成人式を迎えることができました。

 -中村さんというとハスキーボイスが印象的なのですが。

 ★中村 昔に比べて今の方がきれいになってますよ。シャウトだけじゃなくて、いろんな手法ができるようになっています。だから最近はジャズとかも。最近はディナーショーの時はスタンダードも必ず入れています。

 -35周年のツアーのタイトルは「AYUMI DAY SPECIAL」。「アユミデー」は1985年から10年間、8月31日に開いていたイベント名です。

 ★中村 夏休みも8月25日ぐらいから「ああ、学校が始まる」ってブルーな日になっていく。特に宿題が終わっていない学生、私もそうだったんですけど。そうすると8月31日に何か楽しいイベントがあると頑張れるのかな、ということで続けました。当時は、武道館とか横浜アリーナとかでやっていたんです。35周年になり、事務所の社長が「君はふるさとが福岡と大阪の二つあるんだから、大事に」って。社長がすごく福岡にこだわっていたんです。

 -その8月31日は福岡。場所は中村さんが1985年7月に初めて単独ホールライブを開いた都久志会館。

 ★中村 私は(立ち席で250人収容の)ビブレホールでライブをやっていたんですけど、チケットが売れすぎちゃって。そこで急きょ、(座席数600席の)都久志会館に切り替わったんです。それでも立ち見が出て。当時は「こんな大きなところでは歌えない」と思ったんです。びびっちゃって。ステージの袖から飛び出していく時にものすごく勇気がいった。「どうしよう、どうしよう」って思ったような感じでしたよね。

 -8・31、都久志会館に向けて意気込みを。

 ★中村 ほぼシングル曲でやります。サイドシングルといってもいいアルバムの中の人気曲も。あのイントロを聴いて昔の自分が出てくる、そういう瞬間であってほしい。それで元気に第二の人生の扉を開けてもらえたら。あの頃都久志会館やその後の福岡市民会館に来てくれた人たちに来てもらえたら。その方たちとの再会の場です。

 ▼なかむら・あゆみ 1966年6月28日生まれ、福岡市出身。84年「Midnight Kids」でデビュー。98年以降、音楽活動を休止していたが、2004年7月に本格的に再開した。これまでにシングル32枚、アルバム25枚を発表。35周年ライブは他に東京、大阪で開催。都久志会館のライブは午後5時半から。チケットは発売中。BEA=092(712)4221。

=2019/05/18付 西日本新聞朝刊=