街路樹の青葉沿いに福岡市中央区の明治通りを天神から西に歩いた赤坂寄りに、樹齢約400年のイチョウがある…

西日本新聞 オピニオン面

 街路樹の青葉沿いに福岡市中央区の明治通りを天神から西に歩いた赤坂寄りに、樹齢約400年のイチョウがある。日本たばこ産業(JT)福岡支店があった所だ。昭和半ばを知る世代は福岡スターレーンというボウリング場を思い出すだろう

▼イチョウは「飯田屋敷の大銀杏(おおぎなん)」と呼ばれる。昭和のはるか前、肥後加藤清正の重臣飯田覚兵衛が、清正没後、黒田藩に召し抱えられたとき熊本城から苗木を移植した

▼大きく育ったが都市化で衰え、幹の空洞化も進んだ。6年前にJTが再生治療を始め、落ちそうな枝は伐採、空洞に苗木を移植したりしてきた

▼江戸以降の福岡を見てきたこの大銀杏には「保存樹 中 39号 福岡市」と記された標識が付いている。標識付き保存樹が市内には約1900本ある。法律に基づき大樹の保存を自治体が助成中。国土交通省の都市緑化データベースによると、保存樹は福岡市が全国で最も多い

▼それを知る市民は多分少ない。市の都市景観室のホームページを開くと「お寺の数は京都に次いで多い」とも出てくる。クルーズ船寄港回数の多さなど「今」で語られることが多い福岡だが、私たちが知っている以上に「昔」が息づいている街なのだ

▼飯田屋敷の大銀杏の再生は100年がかりという。100年先の福岡を想像する。「昔と今」が溶け合うことを基本にした街づくりで元気を継ぐ都市の手本になっていてほしい。

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