北九州市が脱プラごみ新事業 ごみ袋をバイオマス製に

西日本新聞 一面

 海の生物に影響を与えるプラスチックごみ(プラごみ)の削減に向けて北九州市は本年度、環境に優しい植物を原料にしたバイオマスプラスチック製のごみ袋などを導入する事業を始める方針を固めた。レジ袋やペットボトルによる海洋汚染は地球レベルで深刻化。国際的な輸出入の規制も強化され始めた。公害を克服してきた環境先進都市の「脱プラごみ」の取り組みは、他の自治体にも波及しそうだ。

 北九州市は、新たなごみ袋の導入など全体の取り組みを「プラスチックスマート推進事業」と名付け、本年度一般会計当初案に関連予算として数千万円を計上。30日開会予定の6月市議会に提出する。ごみ袋のバイオマスプラスチック化は全国の政令市(20市)で京都市が導入済み。北九州市は本年度、ボランティア用のごみ袋から取り掛かる。2020年度から家庭用の指定ごみ袋にも広げて、バイオマスプラスチック化を促進するとしている。

 他の取り組みとして、プラごみを再生資源として活用している市内の企業支援も始める。03年度に創設した「環境未来技術開発助成事業」を活用。プラスチックのリサイクル技術の取り組みに意欲のある企業を最優先に支援できるように審査体制を見直す。

 北九州市は、水道水の浄化などの環境技術で国際評価が高い。その強みも生かして海外協力としてタイに専門家を派遣。国と連携し、プラごみの処理方法やリサイクルの指導も進める。

 プラごみ問題は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs=エスディージーズ)」のターゲットの一つとして掲げられ、「25年までに、海洋ごみなどあらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する」としている。北九州市は昨年、経済協力開発機構(OECD)からSDGsモデル都市として選ばれており、新たな重点施策としてプラごみ削減に取り組むことにした。

 プラごみは国内で年間約900万トン発生し、国内で処理しきれない100万トン以上が輸出されてきた。最大の輸出先だった中国が環境汚染の懸念から受け入れを厳しく規制。プラごみの適切な処理や削減が国際的な課題となっている。

【ワードBOX】プラスチックごみ(プラごみ)

 ペットボトルやレジ袋、食品包装などのプラスチック製品の廃棄で生じるごみ。削減の取り組みは、プラごみとなる使い捨てストローの全廃をコーヒーチェーン大手のスターバックスが表明するなど国内外の飲食業界に拡大。今月10日には、有害な廃棄物の国際的な移動を規制するバーゼル条約の締約国会議で、汚れたプラごみを輸出入の規制対象に加える条約改正案も採択された。6月に大阪で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会合でも安倍晋三首相が議長国としてプラごみ問題を取り上げる。

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