【小児がん 母と娘の闘病日記】(12)母から 退院後も襲う 再発の不安

西日本新聞 医療面

退院の日、祖母が飾り付けてくれた自宅で 拡大

退院の日、祖母が飾り付けてくれた自宅で

 芙優(ふゆ)が白血病と診断されてから約9カ月、治療は終わりが近づいていました。脳に起こった異常を治療した転院先から元の病院に戻り、白血病治療が再開しました。最後の治療は脳への放射線照射。転移を予防する目的でしたが、脳に異常が起きたばかりだったので主治医も心配していました。私は無事に終わるまで怖くてたまりませんでした。

 そして、全ての治療が無事に終了。2009年8月4日の退院が決まりました。カレンダーを眺めては「あと○カ月」と数えつつ、どんなにかこの日を待ったでしょう。よく頑張ったね、芙優。

 知らない世界に迷い込んだような入院生活を終え、自宅に帰る車からの景色はとてもすがすがしいものでした。迎えに来ていた弟の優馬もうれしそうに姉と話しています。突然家族が帰ってこなくなり、祖母との暮らしで不安を抱えていたことでしょう。よく頑張ったね、優馬。

 退院はしたものの、1年間は抗がん剤の服用が続きます。薬の量が安定するまで何度も通院が必要でした。病院まで片道1時間。忙しい日々でしたが、家で過ごせる毎日に幸せを感じていました。

 私は再び家事を担うようになりましたが、付き添いの間はほとんど何もしていなかったせいか、手際が悪く時間がかかってしまう。芙優の体調も管理しなくてはいけないし、気は休まりませんでした。

 病院では血液検査をしますが、再発の兆候がないと一安心。ただ一歩病院を出ると「明日には状況が変わって再発し、また入院になるのでは」と不安に襲われます。小児がんを患うと、常に再発の不安が付きまとい、精神的にも不安定な毎日を送ることになるのです。

 娘が病気になってから、きれいな空を見上げても涙がこぼれるようになっちゃったな。

(山本章子=がんの子どもを守る会九州北支部代表幹事)

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