久留米大病院に心臓手術ロボ 国内初 カテーテル挿入補助 医師の被ばく 20分の1に

西日本新聞 医療面

国内で初めて導入された久留米大病院の手術補助ロボット「コーパス」と上野高史教授 拡大

国内で初めて導入された久留米大病院の手術補助ロボット「コーパス」と上野高史教授

 久留米大病院(福岡県久留米市)は4月、狭窄(きょうさく)や閉塞(へいそく)が生じた心臓の冠動脈を広げて、狭心症や心筋梗塞などを治療する手術「冠動脈インターベンション(PCI)」を補助する米国製のロボット「コーパス」を国内で初導入した。全国で年間手術数が約25万件に上るPCIは医師の被ばくが課題となっているが、コーパスにより被ばく線量が抑えられるという。

 PCIは、手首や脚の付け根などから、カテーテル(医療用の細いチューブ)を血管に挿入し、心臓表面にある冠動脈を内部から広げる手術。エックス線で冠動脈やカテーテルの状態を撮影しながら行うため、医師は被ばくを防ぐ鉛入りのプロテクター(重さ約5キロ)を着用する必要がある。

 コーパスは、放射線を遮断する素材に囲まれた場所に座った医師がカテーテルを遠隔操作する。被ばく線量は、患者が横たわる手術台の脇に立って行う手術の20分の1に軽減され、プロテクターも必要ない。1ミリ単位でカテーテルを制御できるため、手の震えなどが影響せず、経験が浅い医師でも精密な治療ができるメリットもあるという。米国、インド、シンガポールなどで導入している。

 PCIの経験が30年以上ある同病院循環器病センターの上野高史教授(63)が、2015年に米国の学会で知って国内に紹介。昨年6月、国内での臨床使用が認可され、年内に福岡山王病院(福岡市)など5施設に導入される見通しという。

 上野教授によると、海外では医師が被ばくが原因とみられる白内障や脳腫瘍を発症する事例も報告されており、女性医師がPCIを避ける傾向もあるという。上野教授は「将来的にはコーパスを使った離島での遠隔治療や、女性医師の活躍も期待できるのではないか」としている。

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