「勝訴し、差別ない社会を」 ハンセン病家族訴訟 原告、沖縄で訴え

西日本新聞 社会面

 国のハンセン病強制隔離政策によって差別を受けたとして、元患者の家族ら560人以上が国を相手に起こしたハンセン病家族訴訟の判決を前に、原告や弁護団が20日、沖縄県で開かれていた「ハンセン病市民学会」の分科会に出席し、「国が家族の被害を認めて謝罪することが、差別をなくす第一歩だ」と訴えた。

 分科会は国立療養所「宮古南静園」(同県宮古島市)で開かれ、弁護士らが訴訟のポイントを説明。原告の女性3人が、学校で友達にいじめられた体験などを涙ながらに報告した。

 ハンセン病問題に詳しい埼玉大の福岡安則名誉教授(社会学)は「ハンセン病への差別や偏見は、社会にシステムとして存在する」と指摘。個々人に意思がなくても周囲が差別すると同調してしまうとし、問題の根深さを説明した。

 弁護団共同代表の徳田靖之弁護士は「この判決で全面勝訴し、ハンセン病への偏見差別を繰り返さない社会的施策をつくるきっかけとしたい」と呼び掛けた。

 家族訴訟は2016年、20-90代の元患者家族568人が熊本地裁に提訴。原告側は、隔離政策によってハンセン病への誤った認識が社会に植え付けられ、家族に対する偏見差別が助長されたなどと主張している。元患者本人については隔離政策を違憲とした01年の熊本地裁判決が確定し、国は謝罪したものの、家族については法的責任を否定している。判決は6月28日。

 ハンセン病市民学会は毎年、各地で開催。今年は18-20日、沖縄県内で行われた。 

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