中欧(上)ブダペスト (ハンガリー) 輝く 「ドナウの真珠」 

西日本新聞 夕刊

街の北側にあるマルギット橋から見るブダペストの夜景。「ドナウの真珠」の異名がぴったりはまる 拡大

街の北側にあるマルギット橋から見るブダペストの夜景。「ドナウの真珠」の異名がぴったりはまる

同じマルギット橋から見た朝の風景 聖イシュトバーン大聖堂の赤い大理石の柱や金の装飾は圧巻 王宮をバックに、くさり橋と目印のライオン像が撮影できる川岸には多くの観光客が集まっていた モザイク模様の煉瓦屋根も見所のマーチャーシュ教会(右側) 教会の内部。壁面や柱の模様は、どこかアジア風に感じられる ブダペストの地図

 全日本空輸(ANA)の羽田‐ウィーン線が2月に就航した。午前2時前に出発し、到着は現地時間で午前6時。その日から旅が満喫できる。この便を利用して3月上旬、「ドナウの真珠」とも呼ばれる欧州一の美しい町、ハンガリーの首都ブダペストと、「音楽の都」として知られるオーストリアの首都ウィーンを巡った。 

 約12時間のフライトでウィーン国際空港に着陸。バスでブダペストを目指した。半時間ほどでかつては出入国審査があったという国境を越え、車窓の風景を楽しんでいるうちに到着。まだ昼前だった。

 街はドナウ川に隔てられた西岸のブダと東岸のペストの両地区からなる。ブダは水、ペストはオーブンの釜を意味するという説があるらしい。

 まず向かったのはブダ地区の小高い丘。「ブダ王宮」やシンボルの「マーチャーシュ教会」があるエリアだ。教会に入るとモザイク模様の柱や壁に目を奪われる。「中央ヨーロッパのハンガリーはモンゴルやトルコに侵略された歴史があります。どことなくアジアの香りがするでしょう」。ガイドのドモンスコス・エメリアさんが解説してくれた。国民の多くを占めるマジャール民族の起源は中央アジア系の遊牧民だといわれているそうだ。

 漁師が守ったことから名付けられたという城壁「漁夫の砦(とりで)」からはドナウ川とペスト地区が一望できる。チェコやドイツなど周辺国からの観光客が多いといい、スマートフォンを片手にセルフィー(自撮り)しているカップルの姿が目立った。

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 ライオン像が目印の「セーチェニくさり橋」を通ってドナウ川を渡る。ペスト地区は国の中心部で、国会議事堂や金融機関が並ぶ。川岸から約600メートルのところにブダペスト最大規模の「聖イシュトバーン大聖堂」が見えてきた。

 国教をキリスト教に改宗し、ハンガリー発展の礎を築いた初代国王イシュトバーンを祭る大聖堂。中に入るとひときわ目を引く赤い大理石の柱や、黄金の装飾は壮麗で圧巻だった。かつて広大な国土を誇り、資源に恵まれていたハンガリー。赤い大理石は繁栄の象徴なのだという。

 夜になると街は一変。ドナウ川の両岸が温かみのあるオレンジ色の明かりで満たされた。ペスト地区側のくさり橋のたもとは絶好の撮影スポット。カメラやスマホを手にした観光客やカップルが幸せそうにそぞろ歩いていた。

 個人的に気に入ったのは、くさり橋から歩いて15分ほどの「マルギット橋」からの景色。橋からは右手にブダ地区、左手にペスト地区、真ん中にくさり橋が見渡せる。王宮や国会議事堂など歴史的建造物がきらびやかに輝く。「ドナウの真珠」にすっかり魅了され、夢中でカメラのシャッターを切り続けた。

 ドナウ川には多くのナイトクルーズ船が行き交っていた。3千円程度から楽しめるという。「まるで宝石箱をひっくり返したかのような美しい風景を堪能してほしい」と勧めてくれた地元のバス運転手ヨーゼフ・ベルヌールさんが、少し誇らしげに見えた。

 ●メモ

 ハンガリーの首都ブダペストは広さ約525平方キロ、人口約175万人。日本からは2月17日に就航した全日本空輸(ANA)の羽田‐ウィーン線が便利。ウィーン国際空港からは飛行機で約1時間、車で約3時間。牛肉を煮込んだスープ「グヤーシュ」や濃厚な甘みが特徴の貴腐ワインが名物。

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