実年齢は82歳…

西日本新聞 オピニオン面

 実年齢は82歳。でも還暦で生まれ変わったので22歳。不思議なことに、これまでの人生で今が一番頭も体もさえている。判断力や決断力も良くなってきた、と自信を持って思う…。作家の下重暁子さんは近著でこうつづっている

▼タイトルは「年齢は捨てなさい」(幻冬舎新書)。人は誰しも年を取る。自然の摂理にあらがうことはできない。かといって年齢で人の価値が決まるわけでもない。そう分かっていながら気にする

▼人の年齢をとかく聞きたがり、自分と相手を比較したり、「もう年だから…」と挑戦を諦めたり。役所も年齢で機械的に高齢者と後期高齢者を区分する。そんな世の中に向けたアンチテーゼだ

▼人生100年時代。作家で言えば、90代の佐藤愛子さんや80代半ばの五木寛之さんらもベストセラーを連発中。作品で共通するのは、老いと向き合いつつ人生を前向きに捉える姿勢だ

▼70歳までの雇用を企業の努力義務とする-。政府がこんな方針を打ち出した。昨今の労働力不足や年金財政とも絡む話だ。賛否は分かれよう。しかし、生きがいの創出で健康寿命が延び、医療費の抑制にもつながるのなら、それもよし

▼常識に縛られると進歩は生まれない。きょう5月21日は歴史的な日。92年前、あのリンドバーグが大西洋横断飛行に成功した。夢を持つことに年齢制限はない。人生の旅も長距離。いくつになっても心の翼は広げておきたい。

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