【きょうのテーマ】母子の味方 助産師さん 出産立ち会い、健康管理、産後も指導 「パワーをもらう仕事」

西日本新聞 こども面

生まれて1カ月ほどの赤ちゃんの体重を量りながら、赤ちゃんに笑顔を向ける助産師の内川加代子さん 拡大

生まれて1カ月ほどの赤ちゃんの体重を量りながら、赤ちゃんに笑顔を向ける助産師の内川加代子さん

妊婦のおなかの中にいる胎児の姿を画面に映し出し、成長の様子を確認する超音波検査 生まれて間もない赤ちゃんのお母さん(左)にお風呂の入れ方や服の着せ方について説明する助産師 助産師の島ノ江栄子さん

 赤ちゃんとお母さんの心強い味方、助産師。出産の瞬間はもちろん、妊娠中や産後にも寄り添ってくれます。こども記者が福岡市東区にある真田産婦人科麻酔科クリニックで助産師の仕事を取材しました。

 【紙面PDF】きょうのテーマ=母子の味方 助産師さん

 私たちがクリニックを訪れたのは午前9時ごろ。助産師で総師長の島ノ江栄子さん(65)が「昨日の夕方から朝までの間に、ここで3人の赤ちゃんが生まれました」と教えてくれた。

 「トントントン」と心臓の音が響く部屋に入った。出産間近の人たちがおなかの表面に器具を付け、胎児の心拍数を測っていた。「椅子の背中を動かします」。立ち上がろうとする妊婦に島ノ江さんが声を掛け、「いつ生まれてもいい時期なので、バッグに母子手帳とタオルを入れておいてくださいね」と伝えていた。安心してもらうための看護ケアやアドバイスも、助産師の大切な仕事だ。

 胎児の心拍数を測ったグラフは、産婦人科医が診断して妊婦に説明するという。胎児に異常がないか超音波検査をするのは臨床検査技師、生まれた赤ちゃんを診察るのは小児科医。みんなで協力して母子を支えているのだと思った。

    ★  ★

 「生まれたての赤ちゃんを見に行きましょう」。島ノ江さんの言葉にどきどきしながら病棟に向かった。ガラス張りの新生児室では、生まれて1日もたたない赤ちゃんたちが小さなベッドで寝ていた。おなかの中ではずっと水中にいたので、手はふやけてしわしわ。泣くと手足をばたつかせ、血液がまわった顔は真っ赤だった。抱っこすると、赤ちゃんはとても小さく、やわらかくて温かかった。

 新生児室の近くでは、助産師が赤ちゃんをお風呂に入れる沐浴、服の着せ方やおへその消毒の仕方をお母さんに教えていた。

    ★  ★

 クリニックの隣には産後ケアセンター「マリィのおうち」がある。ここには産後4カ月未満の母親で、おっぱいの飲ませ方に不安がある人や、育児で疲れがたまった人がリフレッシュにやって来るそうだ。

 センター長は助産師の内川加代子さん(71)。50年近い経験をもとに母親にアドバイスをし、休憩中には赤ちゃんの面倒を見るという。「助産師は何歳になっても現役でいられる」と内川さん。元気そうに働く内川さんは「お母さんと赤ちゃんからパワーをもらうのよ」と言っていた。

 ●助産師42年 島ノ江さん 「出産の瞬間は毎回感動」

 助産師の島ノ江栄子さんは、これまで千人以上の赤ちゃんの出産に立ち会ってきたという。助産師になって42年。一番感動したことを聞くと、「赤ちゃんが生まれる瞬間は毎回感動します」と優しそうに笑った。

 看護師は病気の人も男性も高齢者も見るが、助産師が見るのは女性に限られる。島ノ江さんは「妊婦さんは病気で入院するのとちがって、1人の体で入院して2人で退院するんですよ」と目を細めた。女性だけがなれる職業でもある。

 言葉が話せない赤ちゃんは、肌の色や表情、泣き声で元気かどうか確認するという。「何を欲しているのかわかるのが助産師」と島ノ江さん。「生命の誕生の瞬間に立ち会うすばらしい仕事。大変でもストレスを感じることはないんです」と楽しそうに話していた。

 ●わキャッタ!メモ

 ▼助産師 助産師になるには看護師の資格も必要で、両方の国家試験に合格しなければならない。大学や専門学校で看護師になるための勉強をし、さらに助産師の専門コースなどで出産の介助に必要な知識や技術、妊婦や新生児への保健指導などについて学ぶ。

PR

最新記事

PR

注目のテーマ