議長に社民・中川氏 立候補制は有名無実化 宮崎市議会の正副議長選

西日本新聞

昨年の副議長選に続いて、今回の正副議長選も立候補制が見送られた=21日 拡大

昨年の副議長選に続いて、今回の正副議長選も立候補制が見送られた=21日

 宮崎市議会(定数40)は21日、改選後初の臨時議会を開き、議長に社民党の中川義行氏(65)を、副議長選に前新会の外山良則氏(65)を選出した。社民党からの議長選出は初で、前身の社会党を含めると36年ぶり。2015年に導入した正副議長選の「立候補制」は今回は採用を見送った。2年前の正副議長選では立候補表明しなかった正副議長が選出され、昨年の副議長選は立候補制が見送られるなど、制度は有名無実化しつつある。

 立候補制は、宮崎市議会が13年に制定した議会基本条例で、正副議長選出の経過を明らかにするとした規定に基づいて提案された。ただし、同市の立候補制は会派代表者会議で毎回申し合わせる仕組み。今回は前回の副議長選と同様に反対会派があったため、実施されなかった。これに対して、立候補制を支持する会派は、本会議前に有志議員を集めて議長就任希望者の所信表明会を開催。4会派19人が参加した。

 議長選では、中川氏が過半数の26票を集めたが、残り14票が全て無効票だったことから、水面下の駆け引きの激しさもうかがわせた。副議長選は前新会の外山氏が20票で、19票だった政友会の松山泰之氏(60)を破った。

 全国的な情報開示の流れで、議長選の「見える化」に取り組む議会も増えている。全国市議会議長会によると、議長選で立候補者が所信表明の機会などを設けているのは41・8%に当たる340市議会(17年12月現在)に上る。宮崎市議会もその一つだが、制度がうまく機能していないのが実情だ。

 立候補制が実施できない状況に、ある市議は「(議会選の)投票率が低下する中、市民に政治に関心を持ってもらえる機会を逃している」と危惧(きぐ)する。任意に立候補表明した中川議長は「意欲がある人が、自分の思いを伝える場はあってもいい」と話した。

 元佐賀大教授の畑山敏夫さん(政治学)は「正副議長には意欲と見識が求められる。立候補の動機や自分の思いを聞かなければ議員も投票できないはずだ。立候補制に欠陥があったとしても改善するべきで、うやむやにして制度をやめるべきではない」と指摘する。

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