改元を機に鳥居復活 日田・大野老松天満社 熊本地震で破損

西日本新聞 大分・日田玖珠版

地震で破損したため再建された大野老松天満社御旅所の鳥居。三苫さん(前列中央)たちは記念写真を撮った 拡大

地震で破損したため再建された大野老松天満社御旅所の鳥居。三苫さん(前列中央)たちは記念写真を撮った

地震で破損し、解体された鳥居=昨年4月(横尾石材提供)

 2016年4月の熊本地震で壊れた大野老松天満社(日田市前津江町)の御旅所の鳥居が、3年ぶりに再建された。前津江出身のかやぶき職人三苫義久さん(82)=同市下井手町=が、壊れた鳥居は約80年前に父が関わって建てられたことを知り、古里のためにと改元に合わせて再建した。

 住民によると、前津江振興局の近くにある御旅所の鳥居は1940年建立。前震で亀裂が入り本震で額が落ちて破損し、倒壊の危険があったため解体された。

 その後、三苫さんは鳥居建立の責任者として父七郎さん(故人)の名前が柱に記されていることを知った。かやぶき職人として各地の文化財修復に携わってきた経験から、「地域の歴史を伝える文化財でもある鳥居を残そう」と決意し、約1年前に同市の横尾石材に再建を依頼した。

 新たな鳥居は高さと幅がともに約4メートル。父の字だという額に記された神社の名や柱に刻まれた文字は、そのまま再現している。熊本地震の被災地への思いを込めて「地震復興祈念」の文字も柱に刻み込んだ。

 17日に新たな鳥居の前で神事が行われ、三苫さんや神社の責任役員が参列して完成を喜んだ。横尾石材の横尾宏行社長(44)は「災害がもう来ないように、という願いを込めました」。責任役員の佐藤博恭さん(76)は「鳥居がないと何となく寂しい感じがしていた。地域がにぎやかになったようだ」と話した。

 三苫さんは、幼い頃に鳥居の石材が馬車で運ばれてきた風景を思い出したという。「振り返ると良い人生を送ってこれた。それは古里のおかげ。こういう形で感謝を伝えられたので、さわやかな気持ちだ」と感慨深そうに語った。

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