米中摩擦、九州にも影 半導体、自動車、機械…株価下落 受注は鈍化

西日本新聞 総合面

 米中貿易摩擦の激化を受け、株式市場が揺れている。21日の東京株式市場の日経平均株価は、米国による中国・華為技術(ファーウェイ)との取引規制への懸念もあり、前日比29円28銭安の2万1272円45銭で取引を終えた。10連休だったゴールデンウイーク後の下げ幅は、約1000円。中国向けの製造が多い半導体や機械関連といった企業の株価下落が目立ち、輸出に支えられる九州の企業にも暗い影を落としている。

 「日経平均2万円割れのリスクも十分ある」。JPモルガン証券の阪上亮太チーフ株式ストラテジストは、日本株に関する13日の投資家向けリポートでこう警告した。電機・精密機器や機械といった景気敏感株のリストを示し「ショート(売り)」を推奨。今後2-3カ月間は、もう一段の株価下落に備える必要があると強調した。

 リストの中には、中国関連銘柄の代表格とされる安川電機(北九州市)が含まれる。同社はロボットやサーボモーターなどが主力で、スマートフォンや半導体など中国での設備投資に左右されやすい。2018年1月に最高値の6120円をつけた株価は、米中貿易摩擦激化のあおりを受ける形で下落。21日の終値は3395円と、1年半弱で約45%も値を下げた。

 年明けから4月まで世界の株式市場では、米中が何らかの合意に達するとの見方が強く、減速する世界経済も年後半に回復するとの期待感から、景気敏感株が日本株の相場をけん引していた。しかし、5月5日にトランプ米大統領が中国からの輸入品2千億ドル(約22兆円)分の関税を25%に引き上げると表明すると、市場は悲観ムードに転じた。

 平田機工(熊本市)は、中国の景気減速によるスマホ不振や、米国での自動車関連の設備投資見合わせを受け、生産設備の受注が鈍化。19年3月期決算は減収減益だった。21日の株価の終値は5500円で、高値をつけた17年11月の1万4720円から6割以上も下げた。米国の対中関税第4弾に、米アップルが中国で生産するスマホなどが入り「影響が出る可能性がある」(藤本靖博取締役)。研究開発費を投じ、新たな収益源探しに動いている。

 半導体製造装置の東京エレクトロンや、スマホのカメラに使う半導体を量産するソニーなど、九州に製造拠点がある大手企業の株価も直近の高値から遠い。米国によるファーウェイへの制裁措置も、九州の供給網への打撃となりそうだ。

 自動車産業でも、トヨタ自動車や日産自動車などが九州に生産子会社を置き、米国や中国に輸出している。景気が減速する中国では、足元で新車販売の不振が鮮明。トランプ政権が日本に対して、自動車の対米輸出を制限する懸念もある。

 三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘チーフ投資ストラテジストは「貿易摩擦の激化で中国景気が一段と悪化するなどしたら、九州の自動車生産も厳しい局面を迎える」と指摘。これまで影響を受けている機械や半導体などの企業も含め「株価、業績ともに下がるリスクがある」と話す。

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