プロ野球現役最年長だった巨人の上原浩治投手が現役引退を表明した…

西日本新聞 オピニオン面

 プロ野球現役最年長だった巨人の上原浩治投手が現役引退を表明した。44歳。日米で長年にわたってプレーし、通算で100勝、100セーブ、100ホールドの「トリプル100」を達成した

▼高校時代は控え投手だった。受験にも失敗して浪人。それでも野球をあきらめず、進学した大学で頭角を現した。念願の巨人にドラフト1位で入団すると、1年目に20勝を挙げるなど主なタイトルを総なめに。球界のエースに上り詰め、米大リーグに活躍の場を広げた

▼21年の野球人生は「けがばっかりで中途半端だった」と振り返る。数々の逆境を乗り越えられたのは、人一倍の練習量と座右の銘とする「雑草魂」。失意に沈んだ19歳を忘れまいと、背番号19を背負い続けた

▼雑草といえば、踏まれてもへこたれない強い植物という印象がある。植物学者の稲垣栄洋静岡大教授によれば、実は雑草は競争に弱い植物。森や林の中では他の植物に負けてしまうので、よく踏まれる道端など厳しい環境の下で生きていけるように適応したという

▼先発、中継ぎ、抑え-。けがやチームの事情で与えられる場所が変わっても、逆境を糧に新しい境地を切り開き、トリプル100を成し遂げた上原投手。その精神力を思う

▼日本の植物学の父と呼ばれる牧野富太郎博士に有名な言葉がある。「雑草という名の植物はない」。雑草魂が咲かせた「上原浩治」という名の花である。

PR

春秋(オピニオン) アクセスランキング

PR

注目のテーマ