姿消した!? 福岡市科学館の遊具 壊され持ち去られ…余儀なく

西日本新聞

「おやこひろば」には知育遊具やタブレット端末が置かれていた。「幼児が様々な感覚を使いながら遊べるこれまでにないスペース」と説明している=市科学館ホームページより 拡大

「おやこひろば」には知育遊具やタブレット端末が置かれていた。「幼児が様々な感覚を使いながら遊べるこれまでにないスペース」と説明している=市科学館ホームページより

遊具の大半が撤去され、積み木など既製品のおもちゃだけになった福岡市科学館「おやこひろば」=17日午後

 「壊れた遊具が修理されないのはなぜですか」。福岡市科学館(福岡市中央区)をよく利用するという女性から、こんな声が寄せられた。特命取材班が訪ねてみると、壊れているどころか、遊具の大半は既に姿を消していた。どうして?

 遊具があったのは、科学館4階の無料スペース「おやこひろば」。ホームページには「科学に触れる仕掛けや知育玩具などのおもちゃをそろえています」とうたうが、現在は積み木など既製品のおもちゃが置かれているだけ。スタッフは言う。「壊れたままの遊具で子どもがけがをしたらいけないので撤去しました」

 ボールの組み合わせでさまざまな音色を奏でる「ぜろいちピアノ」。天井につるしたミラーボールを引っ張ると光や色が変化する「くうかんガラガラ」…。科学館がオープンした2017年10月当初、福岡を拠点に活動するクリエーターらが制作したユニークな知育玩具が備えてあった。

 開館したところ、予想を超える家族連れ客が殺到した。1年目の来館者数は、当初見込みの3倍にあたる150万人を記録。夏休みなどの大型休暇には1日最大1万人が訪れ、施設外まで行列ができるほどの注目スポットになった。

 特に無料で利用できる「おやこひろば」は人気を博した。興奮のあまりか、元気な子どもたちの一部が遊具を力いっぱい引っ張ったり、乱暴に扱ったりしたことで、開館からわずか3カ月で壊れ始めた。常時監視するスタッフもおらず、「遊具を持ち帰る利用客もいた」(スタッフ)。

 施設では3カ月ごとに壊れた遊具を修理したが、1回の代金が10万円を超えることも。次第に修理代金を賄えなくなり、順次撤去を余儀なくされたという。

 1歳の子どもを遊ばせていた女性客は「1年ほど前に来たときは遊具がたくさんあったのに寂しいです」と話した。

 施設では夏休みをめどに、新たな遊具を置くことも含め、「おやこひろば」をリニューアルすることを検討している。施設を委託運営する「トータルメディア開発研究所」の丹治清部長は「芸術面を追求し、子どもが乱暴に扱うことはあまり想定していなかった。今後は遊具を大事に扱いつつ、楽しんでもらえれば」と話している。 

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