避難所の水タンク特許 熊本赤十字病院 台に載せず給水可能

西日本新聞 熊本版

 熊本赤十字病院(熊本市東区)の宮田昭副院長らが、2016年の熊本地震の避難所で被災者を支援した経験から給水タンクを改良する技術を考案し、特許を取得した。水をためる高さをタンク内部で上下させることで、タンクを低い場所に置いても水が出るよう工夫した。本年度からメーカーと試作に着手する。

 同病院は、熊本地震で避難所となった益城町総合体育館などに飲用や手洗いに使う給水タンクを設置した。水が出やすくするため蛇口がタンク下部にあり、使いやすいようにタンクを高さ約1メートルの台に置いた。しかし、タンクは小さくても水1トンが入る大きさがあり、台に載せる作業が現場の負担になった。風速20メートルの強風が吹く日もあり、台からの落下を心配する声もあったという。

 一方、タンクを地面に直接置くと、蛇口の位置が低くなりすぎて使い勝手が悪い上、水をくむときに高齢者がしゃがんで腰を痛める恐れもあった。

 新たに考案したタンクは直接地面に置くことができ、蛇口は地面から約70センチの使いやすい高さに取り付ける。水が減ると内部の貯水容器の下側が縮んで水位が上がり、水圧を保てる仕組みだ。重りと滑車で自動的に水位を調節するよう工夫した。重りの代わりに足や手で小型ジャッキを押して持ち上げる簡易な構造も、コストを抑える方法として検討している。

 同病院は00年、国内の赤十字病院で初めて国際医療救援部を設置。国内の大災害のほか、04年のスマトラ島沖地震や10年のチリ地震など海外の被災地支援にも取り組んでおり、新たなタンクは海外でも使う方針。

 特許は、同病院の国際医療救援部長を兼任する宮田副院長と、救援課長の曽篠恭裕さん、臨床工学技士の黒田彰紀さんの3人で17年2月に出願し、今年3月に登録された。

 宮田副院長は「首都直下地震が想定されており、できるだけ早く製品化したい。特許でアイデアを占有するのではなく、必要な人が誰でも使えるようにしたい」と述べた。

熊本県の天気予報

PR

熊本 アクセスランキング

PR

注目のテーマ