筑後川河川敷の民活模索 規制緩和活用、にぎわい創出へ

西日本新聞 筑後版

 国土交通省筑後川河川事務所と久留米市は、市中心部の筑後川河川敷と河川公園の民間活用に乗り出す。手始めに事業者がカフェやバーベキュー場、イベント会場として利用する社会実験を始める。河川区域での店舗営業や施設設置が可能になった国の規制緩和を活用し、新たなにぎわいづくりにつなげたい考えだ。

 河川事務所によると、社会実験は本年度、全国の十数カ所で予定され、九州では筑後川が選ばれた。都市の規模から一定の集客が期待できることや、河川敷が広いことが理由という。

 対象となるエリアは、筑後川防災施設「くるめウス」(同市新合川1丁目)そばで左岸の合川地区(約8・7ヘクタール)と、対岸の宮ノ陣地区(約7・1ヘクタール)。期間は今月から来年3月までで、公募で選ばれた4事業者・団体が取り組む。

 合川地区では来月から、月1回のペースで、バーベキューセットの貸し出し(千円)や、ヨガ、ストレッチのワークショップ(千-2千円程度)、物販などのイベントを開催。民間活用に向けた課題を洗い出す。梅雨明け以降は飲食ができるコンテナハウスも設置予定で、Wi‐Fi環境を整えて仕事場や読書空間としての利用も見込む。

 宮ノ陣地区では10-11月にサイクリングや未舗装エリア走行などの自転車関連イベントを開催。両地区共通でカヌーやボートの体験イベントも企画している。

 河川事務所と市は来年度以降も社会実験を継続し、将来的には常設での店舗営業も視野に入れる。8月には参加事業者の追加公募を予定。河川事務所は「企画を充実させ、集客や地域の活性化につなげたい」と話している。

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制度浸透へてこ入れ 福岡市、熊本県で成功例も

 国土交通省は2011年、成長戦略の一環として、河川法上の規定「河川敷地占用許可準則」を改正し、河川区域の商業利用に門戸を開いた。ただ、民間事業者からすると集客や採算性の見通しが難しく、制度の周知不足の面もあり、広がりはいまひとつ。筑後川などで行われる社会実験は、実際の活用状況を確認しながら実績を積み重ねることで民間の参入を促す、てこ入れ策の側面がある。

 河川敷や堤防などは本来、洪水防止や被害軽減が目的で、占用には河川管理者の許可が必要となる。従来、民間の店舗設置や長期利用は認められず、自治体など公的団体が公園や広場を整備する場合や、一時的なイベント時などに限られていた。

 規定の改正で、防災や利水の支障にならず、地元の合意が得られれば「都市・地域再生利用区域」に指定され、民間事業者がオープンカフェやバーベキュー場、キャンプ場などを設置することが可能になった。国交省によると、これまでに全国約30カ所が指定を受け、最長で10年間の占用が認められている。

 九州では福岡市・天神の那珂川河畔でオープンカフェが営業を始め、人気スポットに。熊本県五木村では川辺川ダムの水没予定地に架かる橋にバンジージャンプ台の設置が許可され、観光客増加につながった。大阪市では宿泊施設を整備する計画も進んでいる。

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