触れて対話する彫刻 片山博詞さん作品展 福岡女子大学美術館

西日本新聞 ふくおか版

展示されている全ての作品に触れることができる 拡大

展示されている全ての作品に触れることができる

指の感覚を研ぎ澄まして女性像を鑑賞する 目を閉じながら触ると、細やかな質感などを発見することができる 作品を納めたブラックボックス。手の感触だけで鑑賞してもらう

 触れて対話する不思議な感覚を味わって‐。福岡市中央区の彫刻家、片山博詞(ひろし)さん(55)の作品展が、同市東区香住丘1丁目の福岡女子大学美術館で開かれている。人物像を中心に、最新作を含めた全ての作品を自由に触れることができる印象的な展示を体験してみた。 

 片山さんは直方市のJR直方駅前に立つ「大関魁皇像」の作者として知られる。今回は金箔(きんぱく)を部分的に貼り付けた最新作「メランコリア」など約60点を展示。美術館が入る図書館棟内に点在させて並べている。

 多目的演習スペースには、外部から見えないブラックボックス(暗箱)2個に作品を収容する手法で展示したコーナーも。来場者には箱の穴から手を入れて触感だけで作品を鑑賞してもらう。

 片山さんは以前、子どもを題材にした自らの作品をじかに触り、涙を流す女性を見たことがあった。「女性は言葉を交わさずに像と『対話』しているように見えた。制作した自分も女性と『対話』している感覚だった」。触れる彫刻の可能性をつかんだという。

 「目を閉じて。細かい部分に気付いたり、発見したりしてください」。片山さんから勧められ、両手のひらで大きく包み込むように複数の人物像を触ってみた。見た目よりも後頭部に奥行きがある。背後から抱えるようにして触ると、胸板の厚さや張りのある筋肉、顔の表情など、より細かい部分の質感も指先、手のひらから伝わってきた。

 作品の感触は手のひらに今も残る。年齢や性別、境遇の違いなど鑑賞する人により、さまざまな解釈があるだろう。作品がもたらす「力」の奥深さを感じた。

 作品展は6月8日まで。日曜休館、入場無料。

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