漁業者「開門へ希望」 識者「解決見通せぬ」 諫干二審判断見直しか

西日本新聞 社会面

 諫早湾干拓事業の請求異議訴訟で最高裁が弁論を開くことになり、漁業者逆転敗訴とした福岡高裁の判断が見直される可能性が出てきた。開門を求めてきた漁業者側は最高裁に望みをつなぐが、「最終決着」に至るかどうかについて識者は懐疑的な姿勢だ。

 漁業者側は、漁業権の消滅を理由に開門請求権を認めなかった高裁判決に対して「漁業法の解釈を誤っており、漁業権免許を更新すれば新旧の漁業権は切れ目なく継続すると解釈するべきだ」と主張してきた。馬奈木昭雄弁護団長は「少なくとも高裁判決がそのまま認められることはなくなった。われわれの主張の正しさが認められると確信している」と話した。

 開門を求めた訴訟の原告、平方宣清さん(66)=佐賀県太良町=は「高裁判決は漁業者にとって最悪の内容だった。弁論で漁業者の声を聞いてもらい、国寄りの不当な高裁判決を見直してほしい」と期待を込めた。大鋸武浩さん(49)=同=も「希望が見えてきた。有明海の実情を最高裁で訴えたい」と話した。

 一方、佐賀県の落合裕二・県民環境部長は「重大な関心を持ち見守りたい。裁判や国の動向を注視して漁協としっかり意見交換しながら対応する」と語った。

 横浜国立大大学院の宮沢俊昭教授(民法)は「高裁判決は、賃貸借契約など漁業権以外の権利にも影響を及ぼす可能性があった。そのことを踏まえて新たな判断をするのではないか」と指摘。その上で「開門の是非など問題の最終的な解決につながる判断をする可能性は低い」との見方を示した。

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