『ユーモアを生きる-困難な状況に立ち向かう最高の処方箋』  柏木哲夫 著  (三輪書店・1728円)

西日本新聞

 ユーモアの語源は古代ギリシャ語の「体液」の訳語という。ホスピスで約2500人の患者をみとった精神科医の筆者は、「死が近いにもかかわらず」笑う人たちと触れ合い、こう考えるに至った。「体液なしで人間が生きていけないように、ユーモアなしに人は生きていけない」。患者との会話や川柳のやりとり、笑いに関する学術研究を平易な文体で紹介し、ユーモアや笑いの本質に迫る。

 「再手術 生え揃(そろ)っても いないのに」(直腸がんの再手術が必要となった男性患者の句)

 「がん細胞 正月ぐらいは 寝て暮らせ」(末期がんの夫が正月だけ帰宅を許され、妻が一句)

 悲しみやつらさをユーモアで乗り越えようとする患者や家族の姿が浮かび、ほろりとさせられる。

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