2年ぶり稲作一部再開へ 硫黄山噴火のえびの市 川内川から取水開始

西日本新聞

昨年4月の硫黄山噴火後、約400日ぶりに川内川から農業用水の取水が再開された堂本地区の水門=22日、宮崎県えびの市 拡大

昨年4月の硫黄山噴火後、約400日ぶりに川内川から農業用水の取水が再開された堂本地区の水門=22日、宮崎県えびの市

 宮崎県えびの市の霧島連山・硫黄山(1317メートル)が昨年4月に噴火して周辺河川の水質が悪化していた問題で、同市堂本(どうほん)地区では22日、取水する川内川の水質が改善したことから噴火後約400日ぶりに水田につながる水門が開かれた。地元農家は6月初めから田植えの準備で水を利用する予定で、2年ぶりの稲作再開に喜びの声が上がった。

【動画】えびの市堂本地区の取水ゲートと農業用水路

 昨年の硫黄山噴火後、ふもとの河川ではヒ素などの有害物質が検出された。火山活動は現在も活発な状態で、上流の赤子川や長江川の酸性度は高いままだが、下流の川内川では昨年8月下旬から環境基準値を下回っていた。

 県は万一の事態に備えて、6月までに長江川と川内川の計4カ所に水の異常を感知するセンサーを設置し、水質が悪化した場合に自動で取水口を閉める自動開閉装置を整備する計画。装置が完成するまでは、センサーで水質をチェックし、手動で水門を閉める。

 この日、堂本地区の農業用水路を管理する堂本維持管理組合の上井(うわい)正秀組合長(69)が地区の取水ゲートのボタンを押して開門すると、全長約10キロの農業用水路へ勢いよく水が流れ込んだ。自身も2年ぶりの稲作再開となる上井組合長は「昨年は稲作ができず切なかった。待ちに待った水だ」と笑顔を見せた。

 同市では昨季、全農家の1割にあたる364戸が計269ヘクタールで稲作を断念した。今年は、川内川流域だけで101ヘクタール、市内全域では139ヘクタールで稲作が再開できる。

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