不登校 言葉からなくそう 福岡のフリースクール支援長田さん

西日本新聞 社会面

福岡市早良区のフリースクール「みんなの学び館」の前で笑顔を見せる長田光司さん 拡大

福岡市早良区のフリースクール「みんなの学び館」の前で笑顔を見せる長田光司さん

 福岡から発信して「不登校」という言葉をなくしたい‐。そんな思いで福岡市のフリースクール支援を始めた若者がいる。長田光司さん(28)は中学時代、教師の体罰や厳しい規則を経験し、教育支援で訪れたラオスではおおらかな現場を見てきた。ネットで不登校の子どもを励ます活動も続ける中、「どこでも学べる環境はつくれる。失敗しても大丈夫という安心体験が大切」とし、既存の学校にとらわれずに学ぶ意欲を引き出す必要性を訴える。

 富山県出身。中学校でバレー部に入ると、生徒指導も担当する顧問は、生徒が気にくわない言動をするたびに体育館の倉庫に呼び出した。顔を近づけて怒号を浴びせ、靴の裏でたたいた。それでも、当時の長田さんは「厳しい練習に耐えるのが偉いと思っていた」。

 信州大教育学部に進み、小中学校の教員免許を取得。その頃から、かつての厳しい教育に疑問が芽生え、大学院では不登校に関するツイッターを始めた。「苦しかった」と漏らす子どもの言葉に共感を覚えた。

 大学院修了後、恩師の協力で国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊員としてラオスに渡った。現地の学校は教員の昼寝時間があるなどおおらかで、子どもの学習意欲は高かった。

 ツイッターでの発信は続け、不登校の際に受けた親の対応でうれしかったことなどを募り、集まった回答を公開。フォロワー数は7600人以上、送られてきたSOSには肯定する発言を返した。福岡市早良区のフリースクール「みんなの学び館」運営者の目に留まり、4月から住み込みで運営を手伝う傍ら、子どもに関われる別の働き口も探している。

 フリースクールは昨年12月、住宅地の一軒家に開設され、不登校の子どもの相談会や交流会を積極的に開く。長田さんは生き生きとした表情の子どもと会うたび、不登校の小中学生が過去最高の14万人以上になった今の学校教育は「制度疲労を起こしている」と痛感。学校外で気軽に学べる場を増やし、学校に行かないことを否定的に捉える「不登校」の概念そのものを消していきたいという。

 いずれはスタッフの仕事に加え、教員として学習指導もしながら、子どもが安心して学べる場を広げていきたいと願う。

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