中山栄嗣「誰しも思う幸せを歌に」 福岡市生まれのゴスペルシンガー

西日本新聞 文化面

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「ゴスペルの良さを一人でも多くの人に」と語る中山栄嗣

 「新人」とはどのようなアーティストを指すのか。音源発表を起点とするなら、中山栄嗣は新人だ。キャリアで語るなら、福岡市生まれのゴスペルシンガーは多数の人材を育て本場の米国公演も果たしたベテランだ。その中山がゴスペルをより多くの人に知ってもらおうと初のシングル「ジャスト スタンド」をリリースした。「愛や仲間。誰しも思う幸せを歌で表現している」。知る人ぞ知る実力者はそう語る。

「歌唱力とハートで勝負」

 聴く人を包み込むような温かみがある声。タイトル曲の「ジャスト スタンド」は、ジンバブエ出身のアンドリュー・ソーダをゲストに迎え、ソロ、デュエット、クライマックスはクワイヤ(聖歌隊)による壮大で高揚感に満ちた音世界が広がる。「J-POPに挑むゴスペルっていう形でやろう、と募集したらすぐに300人集まった。これまでどちらかというと裏方としてやってきた努力が実ったと思った」と振り返る。

 1987年、牧師の家に生まれた。そのプロフィルからゴスペルをはじめとする教会音楽には幼少時から触れていたと誰しも思いがちだ。だが、実際にゴスペルに出合ったのは音楽の専門学校に通っていた18歳の時。「高校ではパンクバンド。地獄の歌なんか歌ってた」と笑う。

 誘われて入ったゴスペルサークルで開放感を感じた。バンドも捨てきれなかったが、2年生になって「歌唱力とハートで勝負できるようになりたい」と一本に絞る。後輩に歌い方のレッスンをしているうちに指導者にも興味を持つようになった。卒業後は教えたり、ゴスペルチームを立ち上げてディレクターをしたりと、一人で表舞台に立つことは少なかった。

 転機は昨年。それまで自らが歌う時もカバーが多かったが、「降りてきた」という具合にオリジナル曲が多数生まれた。「僕は『前を向いて大丈夫だよ』という歌を歌いたい」。そして“デビュー”。

 まず「反応を見たい」と8月に配信から。「アイム ノット アフレイド」はアマゾンの売れ筋ランク1位になるなど、好評を得た。次に、ためた曲で全国発売の7曲入りアルバム「ライフ イズ…」を10月に出した。そして、今回のシングル。狙いはヒットチャートだ。「シングルなら手にとってくれやすい」

 収録曲にはポップス色がある作品もある。バンドの経験が生きた。「宗教色があると日本人は敬遠しがちだが、そこは上手にアプローチしていると思う」

 6月13日には、福岡市博多区のゲイツ7でライブを開く。自身の拠点は福岡だが、共演は東京で活動しているTakuji Yamamoto。「たまにしか会えない相手なんで、本番では何が起きるか。化学反応を楽しみにしてほしい」

 開演は午後7時半。問い合わせはゲイツ7=092(283)0577。

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