オスプレイ佐賀空港配備 焦る県、慎重な漁協 協定見直し難航必至

西日本新聞 佐賀版

公害防止協定覚書付属資料の見直しについて、県有明海漁協幹部らに説明する山口祥義知事(右) 拡大

公害防止協定覚書付属資料の見直しについて、県有明海漁協幹部らに説明する山口祥義知事(右)

 できるだけ早く決着したい県。結論を急ぐ必要はないと慎重な漁協。陸上自衛隊オスプレイの佐賀空港配備計画を巡り、山口祥義知事が昨年8月に受け入れを表明した経緯を説明した24日の県有明海漁協との会談では、両者の隔たりが改めて浮き彫りとなった。県は漁協と結んだ自衛隊との空港共用を否定した公害防止協定覚書付属資料の見直しを訴えるが、交渉難航は必至だ。

 「われわれはパートナーだ。防衛省に意見を言って必要な対策や補償を行わせることを約束する」「かけがえのない有明海を子どもたち、孫たちまで代々、ずっと繁栄させたい」

 この日、佐賀市の漁協本所を訪れた山口知事は約30分間立ったまま、身ぶり手ぶりを交えて、コの字型に座る漁協幹部たち一人一人にオスプレイ受け入れへの理解を求めた。しかし、耳を傾ける漁協幹部たちの表情は一様に厳しい。

 知事の説明後、非公開で行った質疑で、付属資料の見直しについては徳永重昭組合長が「(協定を締結した)8漁協のいろんな思いがある。簡単ではない」と述べただけ。新有明支所の岩永強運営委員長が国営諫早湾干拓事業を念頭に、国への不信感があるとして「防衛省から直接説明をしてもらいたい」と注文したという。

 県は会談を付属資料の見直しに向けた「キックオフ」(県幹部)とする思惑があった。防衛省はこの日、オスプレイの佐賀配備の見通しが立たない中、陸自木更津駐屯地(千葉県木更津市)に暫定配備したい考えを同市に伝えた。佐賀県幹部は「できるだけ早くという気持ちはある。いたずらに時間を延ばしていいとも思っていない」と焦りをにじませる。

 会談後、記者団に「私の思いを真摯(しんし)にお話をさせていただいた」と振り返った山口知事だが、ある漁協関係者は「きょうは知事の説明を聞くだけ。見直し協議のテーブルについたわけではない」とくぎを刺す。「公害防止協定を守ってほしい」と突き放す漁協支所役員もおり、決着点は見通せない。

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