徴用工訴訟、韓国側に財団設立案浮上 関係改善を模索 日本側は冷ややか

西日本新聞 総合面

 【ソウル池田郷】韓国人元徴用工訴訟を巡り、文在寅政権や与党議員が日本との関係改善を探り始めている。6月下旬に大阪で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会合に合わせた首脳会談の実現をにらんだ対応とみられるが、韓国側の基本方針は、日本企業が原告への賠償に応じることが前提で、日本側は受け入れが難しい。23日の外相会談も批判の応酬となり、冷え切った関係を印象付けた。

 韓国メディアによると、韓国政府の責任者が今月中旬、元徴用工訴訟の原告側関係者と接触。問題解決の糸口を見いだすのが目的とされ、韓国日報は「G20で何とか韓日首脳会談を成功させるという大統領府の意思の表れである可能性が高い」と指摘した。

 日本政府は20日、日韓請求権協定に基づき、第三国を交えた仲裁委員会の開催を韓国政府に要請した。韓国では日本がさらに態度を硬化させたと受け止められており、G20で首脳会談が実現せず、国際会議で文氏が孤立する事態を懸念する報道も目立つ。

 事態を重く見た韓日議員連盟の姜昌一(カンチャンイル)会長は24日までに、韓国政府に解決案を提案した。訴訟で被害が認定された元徴用工らには日本企業が賠償する一方、まだ訴訟を起こしていない人には韓国政府が財団を設立して補償するという内容だ。姜氏は与党所属の知日派で訴訟問題を巡って日本の国会議員や官僚とも接触。文政権の政策決定に一定の影響力があるとされる。

 ただ、日韓請求権協定で問題は解決済みとの立場を取る日本側は「出発点が異なる」(外交筋)と冷ややかだ。韓国側も、河野太郎外相の「文大統領は責任を持って対応してほしい」との発言に「外交トップが相手国の首脳を名指しするのは失礼」と反発。康京和外相が河野氏との会談で「慎重な言動」を求めるなど泥仕合の様相だ。

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