統計は面白い

西日本新聞 社会面

 統計は面白い。伸び、減少、横ばい…。社会事象の動きを分かりやすく伝える。そして、その現場に踏み込むと、もっと興味深い顔を見せる。

 統一地方選のさなか、記者が投票率の高低で対照的な自治体を回る企画を試みた。田舎が高く、都会が低いのはおなじみのデータ。だが、現場に行くことで意外な言葉が掘り出された。高い地域では「投票に行かないとばれる」、低い地域でも公立保育所の統合問題を巡り署名運動が起きるなど、決して地域課題に関心がないわけではなかった。「数字のその先」があった。

 統計は怖い。数学が苦手だからではない。異常値が続く厚生労働省の勤労統計を元データにしているものの中には、実態を読み込めていないとの懸念も出ているからだ。一つの数字の疑惑が別の数字をゆがめている。統計を信じ切ることができない社会だからこそ「数字のその先」を見つめる必要性が高まっていると感じる。 (中野剛史)

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