北九州市のお試し居住プロジェクト半数移住、一定の成果

西日本新聞 北九州版

移住希望者が有料で利用できる八幡東区東田のお試し居住用住宅 拡大

移住希望者が有料で利用できる八幡東区東田のお試し居住用住宅

お試し居住用住宅の室内には、家電や家具など生活必需品が備わっている

 移住者を受け入れようと、北九州市はプロジェクト「お試し居住」を進める。IターンやUターンを希望する世帯などに「お試し」で生活する住居を賃貸する取り組みで、今年3月末までの2年半では約50組が参加。半数が移住を決めたという。市から委託され、運営を担当するNPO法人「里山を考える会」の岩崎克司さん(移住コーディネーター)は「まずまずの成果。移住後の生きがいづくりなど、今後もきめ細かいサービスを提案したい」と強調する。

 「お試し居住」は八幡東区東田の市環境ミュージアム近くの住宅を、移住希望者に1万円(入居開始から1週間)で貸す。浴室やトイレのほか、冷蔵庫や洗濯機、電子レンジ、寝具など生活必需品を備え、水道光熱費の負担はないという。

 岩崎さんによると、2016年9月から今年3月末までに46組が参加し、東京や神奈川、千葉など関東からの参加が6割以上を占めた。世代別には60代、50代の参加がほぼ半数で、若い世代の参加は少なかった。

 46組のうち23組が移住を決定。各区別の移住先は小倉北区が13組と最も多く、八幡西区3組、小倉南区3組と続く。岩崎さんは「ほどよく都会で交通利便性のよい環境が好まれる」とみている。

 移住コーディネーターは移住後の住まい探しや、社会活動の見学などをサポート。参加者からは「医療や介護について先進的に取り組む事例を体験し、感動した」、「アクセスの便利さを実感できた」などと評価する感想も寄せられている。岩崎さんは「移住者が孤独感を抱かないよう、移住者同士の交流会を今後も開き、若い世代の仕事探しも支援して、積極的にサポートしていきたい」と話す。

   ◇    ◇

 植村和雄さん(73)はお試し居住を経て昨春、妻とともにさいたま市から小倉北区に移住。シニア世代が社会貢献の手法などを1年かけて学ぶ「生涯現役夢追塾」に入塾し、シニア向け短編映画の上映に尽力した。

 卒業後は同区の学童クラブで、小学校低学年の子どもたちの見守り活動をボランティアで続けている。植村さんは「北九州は『そこそこ都会』のコンパクトシティ。仲間や生きがいづくりの手助けも厚い。子どもに声かけできる安全で安心なまちづくりに貢献していきたい」と意欲を見せる。

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