<25>濃い尿出たら水分補給を

西日本新聞 くらし面

 ♪知~らな~いま~ちを/歩い~て~み~た~い/ど~こかと~お~くへ/行~き~た~い

 3年前、そんな気持ちになり、見つけたのがカンボジアの田舎にある小さな病院です。日本人とカンボジア人スタッフが無料で治療を行っており、数日間の短期ボランティアを受け入れてくれます。

 善は急げと深夜便でプノンペンへ。翌朝、空港から1時間半車に揺られ、病院に到着。医師になった頃の初心を思い出しながら外来診察や手術の手伝いをしました。

 夕方、「そういえば行ってなかったなぁ」とトイレで排尿すると、紅茶が出過ぎたような色の尿が少量だけ。「おっと危ない」。もう少しで体調を壊し迷惑を掛けるところでした。慌てて日本から持ち込んだ梅干しを食べ、ペットボトルの水をがぶ飲みしました。

 「人は水でできている」。CMのキャッチコピーのようですが、実際私たちの体の60%は水分です。水分が減ってしまうと体に変調を来します。めまいや頭痛、吐き気が襲い、さらに意識障害やけいれんは命の危険につながります。

 1日3食の食事で約1000ミリリットルの水分を摂取。体の中で作られる水分が約200ミリリットル。お茶などの飲み物を合わせ、通常私たちは1日2000~2500ミリリットルの水分を取っています。一方、皮膚や気道から約900ミリリットルが蒸発。排便で約100ミリリットル。残りの余分な水分は尿として体の外へ出ていくので、1日の尿量は1000~1500ミリリットル。腎臓が尿量を調整し、体の水分量を一定に保ちます。

 食欲がなくて水分補給が不十分になり、下痢や発熱、発汗で出ていく量が増えれば、すぐに体の水分は不足します。カンボジアの気温は35度。忙しさで水分補給を忘れていたのに、滝のような汗。体の水分が減った結果、少量の濃い尿になったのです。

 これから暑くなり、じっとしていても体の水分は出ていきます。朝一番の尿の色が濃かったり、尿量や排尿回数が少なくなったり。腎臓がしっかり働いている証拠ですが、水分不足のサインでもあります。体を壊さないよう、いつも以上の水分と適度な塩分を補給しましょう。

 (泌尿器科医・池田稔)

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