中欧(下)ウィーン(オーストリア) 宮廷彩った音楽、美術に酔う

西日本新聞 夕刊

荘厳なペーター教会では毎日、無料のオルガンコンサートが鑑賞できる 拡大

荘厳なペーター教会では毎日、無料のオルガンコンサートが鑑賞できる

クリムトやシーレの絵画が展示されているベルベデーレ宮殿 市立公園には金色に輝くワルツ王ヨハン・シュトラウス2世の像がある 金に輝く衣装をまとった男女が描かれたクリムトの「接吻」はベルベデーレ宮殿の最大の目玉 石畳のコールマルクト通りは市民や観光客でにぎわう ハプスブルク家の夏の離宮シェーンブルン宮殿は鮮やかなマリア・テレジア・イエローの外観が目を引く モーツァルトも音楽の都ウィーンで過ごした 0522

 音楽と芸術にあふれるオーストリアの首都ウィーン。全日本空輸(ANA)の羽田発の直行便が就航し日本からアクセスしやすくなった。街を散策すると、一大帝国を築き絶大な権力を握ったハプスブルク家の繁栄ぶり、栄華を極めた宮廷文化を体感することができる。

 まずは街のシンボル、シュテファン大聖堂に向かった。高さ約137メートルの南塔はどこからでも目につくランドマーク。ハプスブルク家の歴代君主の墓所であり、モーツァルトの結婚式、そして葬儀もここで行われた。

 かつての市壁を取り払って造られた「リング通り」と呼ばれる環状道路に囲まれたウィーン旧市街は世界文化遺産に登録されている。石畳のコールマルクト通りには高級ブティックが立ち並ぶほか、オープンカフェもあり市民や観光客でにぎわっていた。

 大聖堂から徒歩5分ほどの場所にある9世紀創建のペーター教会は、ウィーンで2番目に古い教会。バロック建築の巨匠ヒルデブラント(1668~1745)が18世紀に手掛けたドーム形の屋根が特徴だ。平日の昼と週末の夜には無料のオルガンコンサートが開かれる。クラシック音楽に詳しくなくても、荘厳なバロック空間で「これぞウィーン」と思える優雅な時間が満喫できた。

    ◇    ◇

 旧市街から約5キロ離れたシェーンブルン宮殿は、ハプスブルク家の繁栄を象徴する観光スポット。ハプスブルク家が一夏を過ごす離宮で、女帝マリア・テレジア(1717~80)の時代に大規模な増改築や造園事業が行われた。「マリア・テレジア・イエロー」と呼ばれる明るい黄色の宮殿は1441もの部屋がある。そのうち40部屋を見学するツアーに参加した。

 「会議は踊る、されど進まず」で有名なウィーン会議(1814年)の舞台となった「大ギャラリー」は巨大なシャンデリアや3枚の天井画が圧巻。1762年に6歳のモーツァルトが御前演奏したという「鏡の間」や、王朝に終止符を打つ署名が行われた「青の中国の間」など、栄枯盛衰をたどることができる。

 ベルベデーレ宮殿には、ウィーンを代表するグスタフ・クリムト(1862~1918)やエゴン・シーレ(1890~1918)の絵画が多く収蔵されている。180センチ四方のキャンバスに男女が描かれたクリムトの「接吻(せっぷん)」は、間近に見るとうっとりしてしまうほど、なまめかしく官能的。観光客がひっきりなしに写真を撮っていた。

    ◇    ◇

 音楽、美術を堪能した後は、カフェで一息。オペラ座のすぐ裏手にあるホテルザッハーのカフェは、チョコレートケーキの王様、ザッハトルテの発祥の店だ。しっとりとしたスポンジとアプリコットジャムは濃厚な味わい。定番のメランジェ(ミルクを加えたコーヒー)のセットをいただくと、五感はすっかりウィーンの魅力で満たされた。

 ●メモ

 日本とオーストリアは今年、国交樹立から150周年を迎えた。特にウィーンは音楽や芸術など観光資源が豊富。海外出張の経由地としての利便性も高く、全日本空輸(ANA)の事業パートナー、ルフトハンザグループ各社の便を使えばウィーン国際空港から欧州68都市にスムーズに乗り継げる。

PR

最新記事

PR

注目のテーマ