小さなむら アジサイで元気に 17世帯の豊前市枝川内区

西日本新聞 北九州版

 「小さなむらの大きな挑戦! 夢は大きく日本一のアジサイランド」‐。この言葉を胸に、豊前市岩屋・枝川内区の住民が2001年から、アジサイの植栽や剪定(せんてい)などを続けている。植栽から10年目を記念し始まった「枝川内あじさい祭り」は今回で10回を数え、6月15、16の両日、現地で開かれる。一帯は6月上旬から7月上旬まで、30万本のアジサイの花を楽しめる名所に育った。

 求菩提山の山あいにある枝川内区。約2キロの道路沿いには隣接する新貝区を含め約1万6千株のアジサイが植えられている。多くの花芽が付き、間もなく色鮮やかな紫や青、赤、白などの花が咲き誇る季節を迎える。

 植栽のきっかけは、30年ほど前に行われた農業生産基盤整備。石垣作りの小さな棚田が消え、田んぼの面積が広がったものの、のり面が広くなり急勾配になった。「草が繁茂すると殺風景」などの声が上がり、700株のアジサイをのり面などに植え始めた。

 1万株近くになった10年、「アジサイを多くの人に見てもらおう」と、祭りがスタートした。枝川内区は通常は静かな山里だが、祭りの期間だけでも約6千人、アジサイを楽しめる1カ月間には1万人を超える人が訪れるまでになった。

 地区の住民が年に十数回、総出で草刈りをしたり、絡みついたかずらを除いたりする。ほかに剪定作業などもあり、負担は小さくない。この20年ほどで25世帯が17世帯になるなど、過疎化と高齢化も進んでいる。

 祭りの初代実行委員長、枝光博昭さん(76)は「祭りには、地元を離れた子どもたちが手伝いに戻ってきてくれる。子どもたちが後を継いでくれるのが夢」と言う。アジサイや祭りを通じて、昔のように子どもの声が響く地域にしたいとの思いは強い。

 祭りでは、地元のソバ生産者が作る「求菩提そば」の手打ち実演販売や、農産物など特産品販売に加え、岩屋子ども神楽奉納(6月16日午前11時)などもある。祭り期間中は交通規制が行われるため、駐車場がある岩屋活性化センター(同市大河内)と枝川内集会所を結ぶ無料シャトルバスを運行する。

 10回目の祭りを記念して、6月8-23日の日没から午後9時まで、枝川内集会所周辺のアジサイをライトアップ。光に浮かび上がるアジサイを観賞できる。

 「今後も祭りをしっかりと続けていきたい」というのは今年の実行委員長、宇都宮秀充さん(67)。メンバーからは「ほかの集落にも協力を呼び掛け、100万本のアジサイの花が咲く地域を目指したい」との声も上がっている。

 枝川内区の「大きな挑戦」はこれからも続く。

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■小倉北で6月4日花のプレゼントも

 主な関連行事は次の通り。

 6月4日午後4時、アジサイの花プレゼント(小倉北区の井筒屋本店本館東口)▽同5、12、19、26日午前11時-午後2時、一日30食限定のそば屋(枝川内茶屋「あじさいの里」)▽7月7日午前9時-、剪定会と挿し木講習会(枝川内集会所集合)。参加無料で昼食付き。参加者はアジサイの花を持ち帰ることができる。岩屋活性化センター内の実行委員会事務局・奥本さん=0979(88)2002。

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