医師過労死に賠償命令 長崎地裁 市立病院に1億6700万円

西日本新聞 社会面

 長崎市の長崎みなとメディカルセンターに勤務し、2014年に急死した男性医師=当時(33)=の遺族が、病院側に損害賠償や未払い残業代を求めた訴訟の判決で、長崎地裁(武田瑞佳裁判長)は27日、「著しい過労の蓄積をもたらす過重な業務だった」として過労死と認め、約1億6700万円の支払いを命じた。

 判決によると、男性は14年4月から市内の中核医療機関であるセンターの心臓血管内科で勤務。12月18日、自宅で心肺停止の状態で発見され、死亡が確認された。直前1カ月の残業は159時間で、死亡前の6カ月平均残業時間は約177時間だった。7月下旬から10月にかけては84日連続で働いていた。

 武田裁判長は「相当程度の精神的緊張を伴う業務を深夜にわたって行うことを余儀なくされていた」と指摘し、院内滞在時間と原告が申請した時間外労働時間には大きな乖離(かいり)があったと認定。残業代未払い分の算定に当たっては、制裁的な意味合いがある付加金の支払いも合わせて命じた。

 病院側は、持病の心疾患や死亡前日の飲酒が影響したなどと主張して賠償額を減らすよう求めたが、「医師の正確な残業時間を把握せず、負担軽減策も取らなかったのは安全注意義務違反に当たる」と退けた。

 男性の妻は弁護士を通じ「夫の死を100パーセント病院の責任と認めてもらいうれしく思う。二度と過労死を出さないよう病院には変わってほしい」とのコメントを公表。病院を運営する長崎市立病院機構は「判決内容を確認して対応を協議したい」とした。

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