強制不妊賠償棄却「期待裏切られた」 九州関係者も肩落とす

西日本新聞 社会面

 旧優生保護法を違憲と判断した一方で原告の請求を棄却した28日の仙台地裁判決を受け、九州の原告や弁護団からは落胆の声が漏れた。

 昨年6月に熊本地裁に提訴した熊本県の渡辺数美さん(74)は「とにかく悲しい気持ち。自分の裁判も同じように判断されてしまうのかもしれません」と弁護団を通じてコメントを発表。今年1月に提訴した同県の女性(72)も弁護団に「憲法違反であることは当然の判断。ただ、賠償が認められると思っていたので残念」と述べたという。

 熊本市内で記者会見した弁護団の三角恒弁護士は「憲法違反と述べておきながら請求を棄却したことに非常に違和感がある」と指摘。判決は、子を産み育てるか決める権利について議論の蓄積が少なかったことなどを理由に請求を退けており、「抽象的な理由で請求を否定したことは大きな問題だ」と述べた。

 弁護団は旧法が1996年に改正された時点での立法措置の必要性などについて追加主張する方針。三角弁護士は「判決には論理的なおかしさや人権侵害への認識の欠如がある。決定的な影響があるとは思えない」と強調した。

 福岡優生保護法被害弁護団は「司法権による被害回復への期待が大きく裏切られ、憤りを抑えることができない」との声明を出した。弁護団によると、福岡県内では高齢の聴覚障害者数人から強制不妊手術に関する被害相談を受けているが、体調不良や入院などの理由で訴訟に向けた準備は進んでいないという。

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