11.2%が「生活貧困世帯」 県が初の子ども実態調査

西日本新聞 長崎・佐世保版

 県内の子どもの相対的な貧困率は11・2%に上ることが、県が昨年初めて実施した「子どもの生活に関する実態調査」で分かった。「貧困世帯」で育つ子どもは大学進学の意欲が低く、自己肯定感も伸び悩むなどの傾向も浮かび、保護者の収入や家族形態が子どもの生活環境や心身面にも影響を与えている。県は今後、調査結果を子どもの貧困対策などに役立てる。

 調査はアンケートで行われ、対象は小値賀町を除く県内20市町から抽出した小学5年、中学2年の子どもと、その保護者の計1万8658人。回収率は95・9%だった。世帯収入の手取り額や世帯人数によって算出した「等価可処分所得」を基に計算すると、回答した7662世帯のうち860世帯が相対的貧困に該当することが判明した。

 相対的貧困世帯や、ひとり親世帯の子は「勉強やスポーツ、特技を頑張りたいと思うか」「自分に良いところがあると思うか」などの設問への回答が、所得が高い世帯や両親がいる世帯の子と比べて低い傾向にあった。所得階層や家族形態により、子の意欲や自己肯定感に差が生じていることがうかがえた。

 一方、子が希望したにもかかわらず経済的理由で実現できなかったこととして「本や絵本が買えなかった」割合が、全体では5・0%だったのに対し、小5がいる貧困世帯で13・1%と高い傾向。「必要な食料品が買えなかった」のも全体では3・7%だったが、中2がいる貧困世帯で12・6%だった。

■「支援制度」4割が知らず

 県が実施した生活実態調査では、ひとり親世帯を経済面で支援する県の事業を知らない割合が全体の4割に達するなど、必要な情報が十分に行き届いていない実態も浮かび上がった。

 県はひとり親世帯を対象に子どもが進学する際に必要な費用や、医療費などを貸し付ける「母子・父子・寡婦福祉資金貸付金」事業を行っている。この他、親が専門資格を取得するため学校などに通う場合には、期間限定で生活費の一部を給付する制度もある。

 ところが、こうした支援制度を知っているかどうかを問うと、小5がいる家庭では40・2%が「知らない」と回答。ひとり親世帯に限っても、知らない、が28・5%に達した。

 長崎市では、両親の離婚や死別などを理由に、片方の親からしか養育を受けていない児童を対象とする児童扶養手当の申請があった場合、併せて他の支援制度も知らせるようにしている。だが県によると、自治体によって取り組みに濃淡があり、周知不足になっている点は否定できないという。

 このほか給食、学用品、修学旅行費などを支援する「就学援助」や、最低限度の生活水準を保障する「生活保護」など困窮世帯を対象とする公的支援制度を知らない世帯も一定数あり、県こども家庭課は「周知のあり方など市町と協議しながら検討していきたい」としている。

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