大牟田市史本編を発行 市制100周年で半世紀ぶり編さん 

西日本新聞 筑後版

 大牟田市は2017年の市制施行100周年事業の一環で、半世紀ぶりに編さんしている「新大牟田市史」のうち、古代から近現代までを網羅した「テーマ特講編」と「資料編」を発行した。遺跡の発掘調査結果や、大牟田が「カルタ発祥」とされる由来、大牟田空襲死者数を「推計約1300人」と記述するなど、1965-69年発行の大牟田市史(全4巻)以降の新発見や研究成果を盛り込んでいる。

 14年度から取り組む編さん事業では、17年に別冊「年表と写真で見る大牟田市の100年」を発行済みで、本編(全4冊)の発行は今回が初めて。執筆は専門家などに依頼した。

 A4判432ページの「テーマ特講編」は、熊本とのつながりを示す免田式土器が出土した「吉野西ノ尾遺跡」、有明海沿岸で最大規模の全長約100メートルに及ぶ前方後円墳「黒崎観世音塚古墳」(県指定文化財)、舟形石棺が主体の「石櫃山(いしびつやま)古墳」など、近年新たに発掘された遺跡を中心に詳述している。カルタも大牟田市史では触れられていなかったが、16世紀ごろに作られた日本最古とされるカルタの裏面に、職人名として「三池に住む貞次」と記されていると紹介し、「日本におけるカルタ生産は大牟田市一帯で開始されたものと推測される」と解説する。

 このほか、三池藩最後の藩主・立花種恭(たねゆき)(1836-1905)が明治新政府の実力者から送られた書簡など、近年見つかった史料などを基に種恭像を展開。1944年以降、5回以上の被害があった大牟田空襲の項は、市民団体「大牟田の空襲を記録する会」が執筆し、これまで市は死傷者数1291人としていたが、死者のみの数字として団体側が調査した「推計約1300人」を掲載した。

 「資料編」はA4判180ページで、映像などを収録したDVD2枚が付く。2冊とも千部発行し、学校や研究機関などに配布。各200部は販売(各4320円)もしている。

 市は今後、1989年以降を収めた「現代史編」と、炭鉱関連に特化した「三池炭鉱近現代史編」を、早ければ本年度中に発行予定。

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