性教育 「10歳までに家庭でしっかり」 のじまさん「被害防止に必要」

西日本新聞 くらし面

「パンツの教室」協会の、のじまなみ代表 拡大

「パンツの教室」協会の、のじまなみ代表

のじまなみさんの著書「お母さん!学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!」(辰巳出版、1512円) 福岡市博多区であった性教育の体験会=21日

 性被害や望まぬ妊娠、中絶など、子どもの性に関する問題は後を絶たない。義務教育の性教育が十分でない中、親は子どもにどう教えたらいいのか。家庭での性教育を支援する「とにかく明るい性教育【パンツの教室】協会」(東京)の代表で福岡市を訪れたのじまなみさん(38)に聞いた。

 -2016年に性教育を広める活動を始め、18年1月に協会を立ち上げた。活動のきっかけは。

 「当時小学生の娘が具体的な性行為の単語を口にし『赤ちゃんってそれでできるの?』と突然聞いてきた。ちょうど情報教育の授業で、検索の仕方を学んだころだった。スマートフォンやパソコンが当たり前の社会で、インターネット上の誤った知識を基にセックスし、妊娠する可能性もある。危機感を覚えた」

 「小学校から連日、多くの不審者情報が届く。何をされるのか想像できず、付いて行ってしまう子どももいる。わいせつ、いたずらなど言葉を濁さず、性行為や性被害について教え、注意喚起する必要性を感じたことも大きい」

 -日本の中学校の学習指導要領(保健体育)では「妊娠の経緯は取り扱わない」としている。性交や避妊について誰がいつ教えるべきか。

 「日本は性教育に消極的で、先進国の中で遅れている。世界各国の教育現場で活用されている国連教育科学文化機関(ユネスコ)の指針『国際セクシュアリティ教育ガイダンス(2009年)』は、5歳以降、発達段階に即した性教育の内容を示している。私たちは家庭で3~10歳ころまでに、と勧めている」

 「10歳前後で第二次性徴が始まると、月経や精通、体つきの変化などが起こり、恥ずかしさもあり素直に耳を傾けにくくなる。『寝た子を起こすな』という意見も根強いが、30年前と状況が違う。小学生で妊娠する子もおり、早く教えないと手遅れになる。性教育を受けると、初体験の年齢が上がり、中絶や性犯罪が減るというデータもある」

 -性の被害者はもちろん、加害者になってほしくないとの思いで参加する親が多いと聞く。

 「別の子どものパンツに手を入れた、服を脱がせてしまったなど、保育園や幼稚園でも性的トラブルは多い。相手が喜んでいると勘違いしてしまうケースもある。自分や異性の体に興味があるのは当たり前。『水着ゾーン(口、胸、性器、お尻)は他人に見せても触らせてもいけない大切な場所』と伝え、してはいけないことの境界線を大人が引いてあげることが大切だ」

 -どのような状況で切り出せばいいのか。

 「大げさに構える必要はない。例えば卵を食べるとき『受精していないからひよこにならないよ』。牛乳を飲むとき『牛のお母さんのおっぱいから出るんだよ』。そんな動物の話から人間の話に置き換え、受精や避妊の話につなげていく。性犯罪のニュースを目にした時、子どもに話を振ってみるのもいい。年齢に応じて反応は変わるが、親の思いは伝わっている」

 -性交など踏み込んだ内容は、どう伝えたらいいのか。

 「科学だと思うと話しやすい。精子は空気に触れると死んでしまう。だからペニスが硬くなって膣(ちつ)に入り、卵子の近くまで精子を届ける、というように」

 「避妊、中絶、性感染症、性犯罪など、いわば性の負の部分も教える必要がある。ただ、怖いと感じる子どももいる。『愛されて生まれてきたんだよ』『命が宿ることは奇跡的なこと』など、プラスの部分を2倍話してあげてほしい」

 性は「命のバトン」 親から意識変えて 福岡市で体験会

 「とにかく明るい性教育【パンツの教室】協会」による性教育の体験会が21日、福岡市博多区であった。参加した女性4人はいずれも息子がおり「どう教えたらいいか分からない」と悩んでいるという。看護師の資格を持つ講師の長崎みなこさん(34)の話に、熱心に耳を傾けた。

 「パンツの教室」という名前には「お漏らしがある2~3歳から風呂場で、親子でパンツを洗いながら性について話すきっかけに」との思いが込められているという。

 長崎さんは、子どもが親に性の質問をし、親が動揺して怒ったりごまかしたりすると、心を閉ざして親に聞かなくなる“一度きりルール”があると説明。「性は命のバトン。抵抗感があり拒否してしまう親も多いが、イメージを変えて」と呼び掛けた。

 参加者からは「子どもが小さい頃から教えることが大切だと分かった」「男の子も性被害に遭うと知って驚いた」などの声が上がっていた。

 福岡市での体験会は6月6日、25日、7月11日。時間はいずれも午前10時半~11時45分。受講料は3240円。このほか4時間の初級講座(3万2400円)などもある。詳しくは同協会のホームページ=https://pantsu‐kyoshitsu.com/

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