超厳戒G20暮らし直撃 規制で渋滞、ロッカー封鎖 福岡で8、9日に会議

西日本新聞 社会面

 福岡市で8、9日に開かれる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議。福岡県警は「要人の数が多いため、経験したことのない大規模な警備」として、期間中、約4700人による警備態勢を敷く。行政や企業も事故やテロなど万が一の事態に備えて多様な対応を取り始めた。高まる緊張感の一方で、道路規制など日常生活で困るのは多くの市民たち。「来週末は出歩かない」との声も漏れる。

 会場はヒルトン福岡シーホーク(同市中央区)。県警は8、9日、一帯で検問を実施する。会場と要人が宿泊するホテルの周辺は、数百メートル単位で警察官を配置する。

 交通規制は大掛かりだ。福岡都市高速の百道出入り口は終日通行止めに。千鳥橋、月隈、福重の各ジャンクションも一時的に規制される。周辺は大渋滞も予想され、県警は「公共交通機関の利用を」と呼び掛けるが、同市中央区の男性(63)は「渋滞がひどい時間や具体的な規制情報が十分伝わっていない。両日はバイクで裏道を駆使して移動するしかない」とこぼした。

 会場近くには韓国や中国の領事館もある。近くに住む70代の女性は「そんなに心配はしてないが、テロといった大事件が起きた場合を考えると怖い。混雑もするだろうし、あまり出歩かないようにする」。

 警備は陸海空やサイバー空間の対策も徹底される。第7管区海上保安本部は7~9日、漁業者らに博多湾の1・5キロ沖まで航行の自粛を要請。福岡出入国在留管理局も入国審査を強化する。県警は通信・インフラ事業者と連携し、サイバー攻撃を想定したセキュリティー対策を強化する。

 企業側も対策に本腰を入れる。九州電力は、会場のホテルで停電などが起きないように会議期間と前後の計4日間、グループ会社を含む社員延べ約300人が、送配電設備の異常や不審者警戒のため見回りなどを行う。担当者は「万全の態勢で対応し、会議運営を電力の面から支えたい」。

 交通規制を受け、西日本鉄道は市内の路線バスの運行を大幅に変更。通行止め区間を通るバスは迂回(うかい)ルートで運行する。電車利用が増えると見込み、8、9日はほぼ終日、天神大牟田線の特急と急行の車両を1両ずつ増結。安全面では、西鉄福岡(天神)駅で5~9日、テロ対策として全てのコインロッカーとごみ箱を封鎖する。

 要人宿泊の市内のホテルも警察と同様、厳戒モードだ。宿泊場所とみられるホテルの多くが取材に対し、「G20関係の問い合わせには一切答えられない」とピリピリ。どのホテルも、期間中でも一般の宿泊客を受け入れるというが、あるホテルの関係者は「警備の警察官が常駐で詰めることができるスペースを確保している」と明かす。

 福岡市のホテルは高稼働率が続いており、期間中の「宿不足」は起こるのか。市内で複数のビジネスホテルを運営する企業の担当者は「8、9日の予約率は通常よりも低め。G20の警戒態勢を敬遠している旅行客が出ている可能性もある」。商業施設の関係者は「交通規制で客足が減るかもしれないが、仕方ない」と話した。

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