目指せパラ五輪 難病と闘う福岡市の小林さん パワーリフティング

西日本新聞 ふくおか版

 難病と闘いながら、2020年東京パラリンピック出場を目指す主婦がいる。福岡市東区の小林浩美さん(50)。パラパワーリフティングの45キロ級と50キロ級の日本記録保持者だが、パラ五輪出場はいまだ果たせていない。「まだ見たことのない五輪の世界は、どんな景色だろうか」。夢の舞台に憧れながら、7月の世界選手権(カザフスタン)での上位入賞を目指し、練習に打ち込む姿をカメラで追った。

 小林さんの病は「シャルコーマリートゥース病」。国内の発症は1万人に1人とされ、手足の末端神経がまひし、自由に動かしにくくなる国指定の難病だ。

 20代、歩くだけで膝が腫れ上がった。つえや両足に装具をつけての生活に伴い、次第に外出も減った。

 30代に入り、下半身の筋力低下を防ぐため市内のスポーツジムに通った。そこで、日本パラパワーリフティング連盟理事でトレーナーの中ノ瀬啓作さん(69)に出会った。中ノ瀬さんが出場するベンチプレスの大会を見て「面白そう。私も持ち上げてみたい」と思い立ったという。

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 最初はシャフトをつかむことさえ難しかった。指を広げる練習に半年かかり、やっと20キロを持ち上げた。「あのときの感動は今も忘れられない」と振り返る。

 その後も順調に記録を伸ばし、13年の国内大会では45キロ級で69キロを、別の大会でも50キロ級で66キロをクリアし、それぞれ日本新記録を打ち立てた。この記録は今でも破られていない。

 「重いものを持ち上げることで自分の成長を実感する。自由に体を扱えていると思うとうれしさがこみ上げた」と小林さん。中ノ瀬さんも「真面目で勤勉。一度教えたことは守るし、フォームも崩れない」と目を細めた。

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 伸び悩んだ時期もあった。脚の筋力低下に伴い、上半身にうまく力が伝わらず、16年リオデジャネイロパラ五輪への出場はかなわなかった。

 東京パラリンピックに出場するには、その年の国際大会を通じて世界ランキング上位入りなどが条件となる。

 現在は、週5日のリハビリと激しいトレーニングのおかげで全盛期の力を取り戻しつつある。「競技ができる喜びをかみしめながら練習に励みたい。五輪の舞台に立ち、気持ちよくバーベルを持ち上げられたらいいな」。強い思いを胸に、汗を流す日々が続く。

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