城戸さん(行橋市)最高賞 絵画展「新世紀展」大作部門 

西日本新聞 北九州版

 行橋市高瀬の元会社員、城戸好保さん(72)が、美術界でも評価が高い展覧会「第64回新世紀展」の大作部門で、最高賞の東京都知事賞を受賞した。九州では初の最高賞受賞だ。高校から絵筆を握って56年。受賞を機にこれまで以上に創作意欲を燃やしている。城戸さんの作品は、4~9日、北九州市立美術館本館・アネックス市民ギャラリー(戸畑区)に展示される。

 城戸さんは、豊津高(現育徳館高、みやこ町)時代に美術部に入り、卒業後、安川電機行橋事業所(行橋市)に入社。同社美術部でも絵筆を握り、だれにも師事せず、独学で創作してきた。

 新世紀展は、1955年に画家、和田三造ら著名な芸術家が中心に結成した「新世紀美術協会」がその翌年から開催し、流派や画風などを超えた公募展だ。東京をはじめ、福岡、大阪、神戸、名古屋の各地で作品巡回展を開いている。

 城戸さんは、これまでに新世紀展で、新人賞や奨励賞を受けたことが認められ、現在は同協会会員として活動している。

 受賞作は、油絵の『鳥の聲(こえ)「誕生」』で、縦194センチ横162センチの大作。東日本大震災(2011年)をテーマに、「文明」の象徴の原発が水にのみ込まれていく様子と、人間を鳥に例えて「生」を表現した。具象と抽象の両手法に加えて、配色も工夫。「ストーリー性を持たせて、震災を忘れないようにとの思いで描いた」(城戸さん)と語る。

 昨夏から、デッサン画を20~30枚描き、完成まで約5カ月間かかった。この間、「これまで以上の作品を出品したい」と昨年9月に出向先の会社を退職。さらに、運送会社が作品を引き取りに来る直前まで手を入れたという。

 受賞式で、審査員や美術評論家らから「素晴らしい作品だ」と高い評価を受けた城戸さん。現在、創作の一方、安川電機美術部で指導を行っているが、部員の一人の佐藤信寛さんが新人賞を受賞。城戸さんにとって二重の喜びになった。

 城戸さんは「自分が最高賞を受けていいのかという気持ちだ。今後も賞に恥じないように創作活動に力を入れる」と喜びを語っている。

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