昇降車いすの旅に手応え 九国大生が豪モニターツアーを報告

西日本新聞 北九州版

九州国際大生による車いす利用者向けの旅行企画の報告会で「ペガサス」に座って感想を述べる矢野剛教さん(右から2人目) 拡大

九州国際大生による車いす利用者向けの旅行企画の報告会で「ペガサス」に座って感想を述べる矢野剛教さん(右から2人目)

 車いす利用者が気軽に参加できる海外旅行の商品化を目指している九州国際大(八幡東区)の学生が、利用者と一緒に旅をするオーストラリア・シドニーへのモニターツアー(3月)を開いた。座面が昇降する電動車いす「ペガサス」を活用した旅行企画。健常者と同じ目線で観光を楽しむという成果が得られたといい、学生たちは手応えを感じていた。

 企画したのは、現代ビジネス学部の福島規子教授(観光学)のゼミに所属する3年生の徳永亮太さん、新井悠人さん、遠藤廉さん、衛藤羽篤さんの4人。過去のゼミ生が開発したペガサスを用いて旅行プランを提案し、昨年9月、日本旅行業協会主催のコンテストでグランプリに輝いた。

 その後、モニターの車いす利用者を募集し、鹿児島県錦江町の矢野剛教さん(31)が同行することになった。企業や個人に協賛を募り、催行費用として102万円を集めた。

 ツアーは3月14~20日。矢野さんは座面が80センチ上下するペガサスに乗り、美術館で壁に掛けられた絵画やケース内の展示を間近で鑑賞。バーでは、高さのあるカウンター越しのオーダーに成功した。充電器が故障し、水族館や動物園でペガサスを使えないトラブルもあったが、4人の「マンパワー」で乗り切った。

 段差のない歩道や車いす専用の改札口など、進んだバリアフリー環境も目の当たりにした。矢野さんは「街には、介助を求めやすい空気もあり安心だった。設備が不十分でも結局は人だと思った」と述べた。

 4人の意識調査では、車いす利用者の約半数が「車いすで行ける観光地は限られる」と回答。ゼミ代表の徳永さん(20)は「障害に左右されずに旅行を楽しめるプラットフォームを構築したい」。車いす利用者に複数の介助者がつく形をベースに、引き続き商品化に向けて動く。

 3年生は5月21日、小倉北区で報告会を開催。協賛者約10人が出席した。

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