小さな版画の美術館開館2年目 直方市 野見山さん100点を展示

西日本新聞 筑豊版

 版画家の野見山(本名・三輪)朋子さん(79)=北九州市八幡西区=が昨年5月に故郷の直方市に開設した「小さな版画の美術館 三輪(みわ)」が2年目を迎えた。4度目となる展示替えをし、直方市や北九州市の風景、動物や花々などを描いた自作の約100点を展示している。

 野見山さんは直方市古町で生まれ育った。1967年から版画家棟方志功の弟子だった桂川町の江藤正雄さん(2009年死去)に師事し、半世紀で2千点超の作品を彫り上げてきた。棟方志功の呼びかけで結成された日本板画院の委員同人で、筑豊美術協会会員。

 直方市頓野に構える美術館は転居した友人の住居を購入し、1階部分の改装と庭への建て増しで展示場を設けた。野見山さんは「直方から見る福智山の姿が一番美しい。遠賀川の流れとともに忘れられなくて、直方に美術館を開いた」と話す。夫の三輪信二さん(91)が館長を務めている。

 自らを「風景作家」と言い、交流のある画家永田松蔵さん(102)=北九州市門司区=からもらった「あなたの版画には品がある。デッサンを大事にしなさい」との言葉を念頭に置き、必ず現地に足を運んでスケッチを描く。版画カレンダーにした「長崎街道・筑前六宿」や「直方を歩く」などはその代表的作品群で、地域の歴史も記録している。

 館内には、直方駅旧駅舎や福智山遠景など「直方を歩く」の一部のほか、90年代に西日本新聞北九州版に長期連載した八幡西・八幡東区の版画紀行の原画50枚を貼ったびょうぶ、遠賀川などスケッチに基づく風景や動物、花々を題材に心象風景やメルヘンの世界などを表現した大小さまざまな作品を展示する。

 野見山さんは「自分で版画家と言えるようになったのはここ10年ほど。2千点を彫ってきた成果だと思う。版画の奥深さを知ってほしい」と呼び掛ける。毎週木曜~日曜の午前11時~午後5時に開館。同美術館=0949(52)7760。

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