飯塚病院に筑豊初の感染症科 的野部長に聞く 抗菌薬を適切使用

西日本新聞 筑豊版

 飯塚市の飯塚病院が感染症を専門とする「感染症科」を4月に新設した。筑豊地区の医療機関で初めて。疾患を抱える高齢者は、感染症を併発するケースが多い。海外旅行で感染症にかかる可能性もあり、専門医による適切な治療が必要となる。同科の的野多加志部長(36)に特徴や治療について聞いた。 

 ‐感染症科とは。

 「一般的な診療科は、臓器別に分かれており、がんや心筋梗塞など人の体に起きた変化を診察する。一方、感染症科は臓器は関係なく、病原微生物といった外敵を相手にする。病原微生物が引き起こす病気が感染症だ。外敵は環境や動物にいるので、人だけでない幅広い視野と知識を持ち、予防や治療をする」

 ‐専門医の数は。

 「日本感染症学会は3千~4千人が適正数としているが、学会が認定する専門医は全国に約1400人。関東に約4割が集まり、県内はまだ少ない。大学病院などでは内科の中に感染症グループとして、活動する場合があるが、感染症科は珍しい。飯塚病院は総合診療科の中に感染症チームがあったが、体制を強化するため感染症科を新設した。適切な治療だけでなく、専門医の育成にも貢献できると考えている」

 ‐主な治療は。

 「実際に感染症にかかった患者に対し、抗菌薬を適切に使用することで、死亡率の低下、早期退院、コストの削減などに貢献できる。7月にはワクチン・トラベル外来(仮称)を設ける予定。グローバル化が進み国際的な人の往来が活発化している中、海外では多くの感染症がある。世界を見ると1年間で最も人を殺している生物は『蚊』だ。蚊から媒介する感染症で多くの人が亡くなっている。世界の感染症の流行情報を的確に把握し、対処する」

 ‐旅行者以外も対象か。

 「地域全体の住民が対象となる。破傷風や肺炎球菌、風疹などのワクチンを打っていない人は、病気にかかる可能性がある。予防のため、ワクチン接種の重要性を理解してもらうことが重要だ。行政と協力しながら、情報発信にも力をいれたい」

福岡県の天気予報

PR

PR

注目のテーマ