全共闘半世紀、闘士の声集め 10月にも書籍化

西日本新聞 社会面

「全共闘運動の総括を次世代へのメッセージとして残してほしい」と語る前田和男さん 拡大

「全共闘運動の総括を次世代へのメッセージとして残してほしい」と語る前田和男さん

1994年に刊行された「全共闘白書」

 大学管理体制への反発や反戦を掲げた大学生が、大学構内のバリケード封鎖や授業のストライキを繰り返した「全共闘運動」。1968~69年に全国の大学に波及したが、内ゲバや連合赤軍のリンチ事件で支持を失い、急速に衰退していった。かつての全共闘の闘士は何を考え、その後の人生をどう生きたのか‐。半世紀を経た今年、シニア世代となった当事者の声を集めて、書籍化するプロジェクトが進んでいる。

 関東や関西の大学で運動に関わった有志約10人による実行委員会が企画した。94年には、全共闘のシンボルとして知られる69年の東大安田講堂の攻防から四半世紀の節目に、526人の声を集めた「全共闘白書」(新潮社)を出版。今回はその続編と位置付ける。

 実行委は75項目のアンケートを約5千人に郵送やメールで送り、協力を依頼。運動に参加した理由や自己評価、距離を置いた理由を問うほか、結婚歴や収入、年金の受給状況といった運動後の生活実態にも踏み込み、安倍政権への評価、全共闘運動の総括なども求めている。自由記述欄では「辞世のことば」や「次世代への遺言」を求めている。

 前回返信があった人の半数は「宛先不明」で戻ってきたが、現時点で約270人から回答を得た。中間集計によると、全共闘運動を総括して「社会、文化革命につながる可能性があった」「党派間の内ゲバが大きな後退をもたらした」などの声も寄せられた。八王子医療刑務所に収監されている元日本赤軍最高幹部、重信房子受刑者からも回答があった。

 6月末まで回答を募り、集計後、アンケート結果をテーマにシンポジウムを開く予定。早ければ10月の書籍化を目指している。

 実行委事務局で、東大の全共闘に関わった前田和男さん(72)は「私たちの世代はすでにリタイアし、後期高齢者に差し掛かろうとしている。医療費などの社会的コストの負担を強いる『お荷物』として消えゆくのでなく、全共闘の教訓を次世代に伝え、私たちならではの『社会的けじめ』をつけ、旅立ちたい。現時点で九州の参加者は少ないので、ぜひ協力を」と呼び掛けている。実行委=03(5689)8182。

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