妻夫木聡が2役「夢のような世界へ」 舞台「キネマと恋人」 北九州で28~30日上演

西日本新聞 夕刊

「キネマと恋人」で初演に続き一人二役を演じる妻夫木聡(撮影・安田慎一=STUDIOSHIN/協力・フリーペーパーMEG) 拡大

「キネマと恋人」で初演に続き一人二役を演じる妻夫木聡(撮影・安田慎一=STUDIOSHIN/協力・フリーペーパーMEG)

 スクリーンから大好きな登場人物が話しかけてきたら-。映画の世界を抜け出してきた人物との奇想天外な恋物語を描いた舞台「キネマと恋人」が28~30日、北九州市小倉北区の北九州芸術劇場中劇場で上演される。出演する妻夫木聡(38)=福岡県柳川市出身=は「夢のような世界に連れていってくれる演劇です」と魅力を語る。

銀幕から登場人物が抜け出して…

 作・演出は人気劇団「ナイロン100℃」を主宰するケラリーノ・サンドロヴィッチ。同作はウディ・アレン監督の映画「カイロの紫のバラ」(1985年)に着想を得て、2016年に初演。ハヤカワ「悲劇喜劇」賞を受賞するなど高い評価を得た。

 物語の舞台は世界恐慌のあおりを受けた1936年、東京から半年遅れで新作が上映される架空の港町「梟(ふくろう)島」。ハルコ(緒川たまき)は映画館通いが唯一の楽しみだが、失業中の夫につらく当たられてしまう。そんな時、いつも見ている時代劇の銀幕から寅蔵が現れ、2人は恋に落ちる。

 妻夫木が扮(ふん)するのは寅蔵と、その寅蔵を演じる俳優高助の2役。3年ぶりの再演について「同じキャスト、スタッフでできることが本当にうれしい」と声を弾ませる。

 実は初演の際、稽古が始まった時には台本は10ページ分しかできていなかった。梟島で人々が話す「~だり」や「ばりんこ」など架空の方言も、出演者らでアイデアを出し合いながら決めていったという。「今や親戚のような感じなので、みんなで地方公演に行けるのが楽しみ。九州の方は梟島の方言にも親しみを感じられると思う」と笑う。

 プロジェクションマッピングや踊りを採り入れた演出も見どころ。「お客さんも出演者の一部のような一体感がある。本番ではどこか夢の中にいるような、別世界に生きていられる喜びを感じた」と振り返る。

 1998年のデビュー以来、NHK大河ドラマの主演など映像作品を中心に第一線を走り続ける。演劇については「映ったものが真実になる映像と違って、演劇はお客さん一人一人の中に答えがある。自由な発想力を持てるようになった」と手応えを感じている。

 初演時、ラストシーンでの高助の微妙な表情が話題となった。「どんな気持ちで演じたのかは、言うとつまんなくなっちゃう。映像でも演劇でも、僕は未来永劫(えいごう)、芝居が続いてほしい。あの人はこういう人生になったのかなぁ、と思ってくれるだけで僕たちは幸せだし、その物語がさらに成長していくと思うんです」 

キネマと恋人 全席指定一般7500円、24歳以下3800円、高校生1500円、北九州芸術劇場=093(562)2655。

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