【こども記者だより】熊本市動植物園 「復興」を追い続けて 入場待ちの長い列に感動 応援、これからも 北 忠明特派員

西日本新聞

 ●福岡市・百道中2年 北 忠明特派員

 こども特派員の北忠明さん(13)=福岡市早良区・百道中2年=は、熊本地震が起こった2016年にこども記者になり、翌年、被災した熊本市動植物園を取材しました。その後も毎年、自主的に園を訪れて取材し、3年連続で復興の様子を紹介する記事を書き続けています。

【紙面PDF】熊本市動植物園 「復興」を追い続けて

 熊本市動植物園は昨年12月に全面開園が実現した。僕は園が復興した様子を見届けたくて、5月4日、3度目の取材に行った。まず目に入ったのは、正門前に並んだ入場待ちの人々の長い列だ。最初の取材では正門も被害があって閉ざされていたので、にぎわいを取り戻した様子にとても感動した。2度目に取材した昨年は補修中だった園内の地面もきれいに舗装され、獣舎も新しくなり、猛獣たちが見やすくなっていた。

 猛獣を担当する飼育員の草野敬輔さん(50)に話を聞いた。ライオンなどの猛獣は園の復旧作業中、福岡や大分の動物園にあずけられた。「帰ってきた猛獣には久しぶりの園でのご飯だったが、すべて食べてくれた。今では被災前と同じように元気に暮らしています」と話した。

 これまでの取材で出会った飼育員の林修司さん(57)と北川勇夫さん(40)にも再会した。林さんは「ポンプが完成して、キリン舎の前の池に水をためることができました」と話した。僕は地震で水を送る設備が壊れて園の人たちが苦労したという話を聞いていたので、うれしかった。

 北川さんは「いろいろな人の支援があって全面開園にこぎつけました。みなさんに感謝の気持ちを伝えたいです」と力を込めた。園内の掲示板には復旧に協力した人たちの名前がずらりと並んでいた。こんなに多くの人が援助してくれたのかと胸が熱くなった。

 取材では、飼育員さんたちがいつも優しく迎えてくれた。園の皆さんの努力で地震から3年という短い期間で全面開園できたのはすごいと思う。定期的に熊本を訪れることで、園以外の復興も進んでいると実感している。熊本城は今年の10月から特別公開が始まる予定だ。地域のシンボルが一つ、また一つとよみがえっていく。地元と全国の人々の復興への願いが集まった結果だと思う。

 今までたくさんの取材をしたが、熊本での経験はとても心に残るものになった。これからもずっと、動植物園を、熊本を応援し続けたい。

 ●編集部から

 北さんが初めて熊本市動植物園を取材した時に引率した縁で、毎回原稿を受け取り、紙面作りを一緒にやってきた。

 最初は、動植物園という、こどもが好きな場所を通じて熊本地震の復興の現状を読者に伝えたいと企画した取材だった。特に被害が大きく立ち入り禁止になった区域も歩き、参加したこども記者は言葉を失った。空っぽになった猛獣舎を見つめる北さんの姿が印象に残っている。

 一つのテーマを追い続けることは、大人の記者でもなかなかできることではない。何よりも立派だと思うのは、記事を書き続けることで取材先からの「信頼」という、記者にとってとても大切なものを北さんが得ていることだ。

 北さんは「いろいろな人ともっと関わりたい」とこども記者になり、今もその思いを胸に取材をしている。次はどんな記事を書いてくれるのか楽しみだ。

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 ●こども記者募集中

 大人記者とともに、さまざまな現場を訪れて取材し、記事を書く「こども記者」を募集中です。しめきりは6月9日(当日消印有効)。くわしくは西日本新聞ホームページの「こどもタイムズ」コーナーに掲載しています。1年間の任期後も、北さんのように「こども特派員」として活動することができます。

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