人吉市 ふるさと納税着々 冊子で使途公表でリピーター確保

西日本新聞 熊本版

ふるさと納税の使途を報告するため、人吉市が発行している「ふるひと通信」 拡大

ふるさと納税の使途を報告するため、人吉市が発行している「ふるひと通信」

 過度な返礼品競争を是正するため、6月から運用の適正化が始まったふるさと納税制度。人吉市は高額な返礼品に頼ることなく、地元の特産品やサービスを豊富にそろえ、寄付額を増やしてきた。今回の制度改正を「同じ土俵で戦えるようになった」と評価し、独自の政策を実現する貴重な財源として拡充を進める。

 同市がふるさと納税制度で返礼品を採用したのは2015年度。担当する企画課によると、当初は米やみそ、しょうゆなど30品目余りで、年間の寄付額は1500万円程度だった。その後、品目の充実や制度の浸透により規模が増加。18年度は返礼品目約520種と県内トップクラス、寄付額も2億5千万円に達した。

 総務省が問題視した高額返礼品についても、同市は目安となる寄付額の3割ルールに従い、市内と球磨郡内の特産品に限定した。ただ、同省が高額化に問題がある自治体名を公表した昨年秋から、前年同期比200%を超えていた寄付金の伸び率が、100%台に鈍化。市担当者は「総務省の指摘が、高額品を提供する自治体を結果として宣伝することになり、そちらへ寄付が流れたのではないか」と指摘。その後は、回復傾向にあるという。

 一方、運用の適正化指導で返礼品を強調した宣伝広告ができなくなった。市は17年度から発行してきた返礼品カタログが該当する恐れがあるとして製作を取りやめ、代わりに返礼品の納入業者のホームページや製品広告などでPRしてもらうことを検討している。

 寄付金の使途は、「市民の安全・安心向上」や「教育の充実」など大まかに6項目を挙げる。ただ、寄付金をどう使ったかについては、年に1度、冊子「ふるひと通信」を発行して寄付者に郵送しており、リピーター確保に生かしている。

 市の担当者は、今後は高額返礼品の自治体が制度から除外されることで、他の自治体へ寄付が分散するとみており、「人吉を選んでもらうために一層の知恵と努力が必要になる」と話している。

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