【備えは】葬祭2施設を避難所に 北九州市がサンレーと災害協定

西日本新聞 北九州版

 本格的な梅雨入りを前に、北九州市は4日、大雨などの災害時に冠婚葬祭会社「サンレー」(小倉北区)の2施設を避難所として使用する協定を、同社と結んだ。昨年7月の西日本豪雨で、市内で大きな被害が出たことを受けた。年間を通してスタッフが常駐している利点を生かす。避難所となる小倉紫雲閣(小倉北区)は360人ほど、北九州紫雲閣(八幡西区)は150人ほどを収容できるという。官民が協力した避難者支援の動きが加速する。

 北九州市役所で同日行われた協定締結式で、北橋健治市長は「災害対応力向上につながり、大変ありがたい」と述べた。佐久間庸和社長は「北九州市は高齢者が多く、安定した避難所が必要。(避難所開設で)市民に安心してもらえるのではないか」と力を込めた。

 同社は、激しい降雨に限らず、避難者が両施設を訪れて利用を直接申し出たり、区役所から避難所使用の連絡があったりすれば、大ホールなどを開放して活用してもらう考え。施設はバリアフリー化。乳幼児を抱える母親が、周囲に気兼ねなく利用できるよう授乳などで使える個室も備える。大きな駐車場もあり、車での避難も可能という。

 市によると、大規模災害が発生した際に、民間企業や他の自治体などから協力を得られる協定や覚書の締結は約100件に及ぶという。

 市が近年結んだ災害協定の中には、2017~18年度にかけ、無人航空機(ドローン)を所有する測量会社など全10社と締結した災害対策協定がある。災害現場の状況把握や物資輸送などで協力する仕組みを構築。西日本豪雨で2人が犠牲となった門司区奥田地区では、実際にドローンが投入された。市関係者は「崖崩れの発生場所などを調査するのに役に立った」と、有効性を指摘する。

 避難者支援の動きとしては今年3月、マルショク西門司店の駐車場を災害時に開放する協定を、門司区役所がスーパーを運営する「サンリブ」と締結した。

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 昨年7月の西日本豪雨から間もなく1年を迎える。北九州・京築地区では人的被害に加え、交通や生活インフラにも大きな被害が出た。梅雨の出水期を迎え、自治体や地域は過去の災害からどんな教訓をくみ取り、対策を進めているのか。随時掲載で「備え」への動きを追う。

 

【西日本豪雨での北九州市の被害状況】土砂、崖崩れが市内各地で407件発生した。最も多かったのは門司区で175件。次いで八幡東区が105件。門司区奥田地区では土砂に巻き込まれ2人が亡くなった。407件のうち、危険性が特に高い土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン、1220カ所)での発生が97カ所。警戒区域(イエローゾーン、1328カ所)は92カ所。両区域外での発生が218カ所だった。人的被害は死者2人、重傷4人、軽傷1人。家屋被害は、全壊14棟、半壊15棟、一部損壊99棟、床上浸水116棟。

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