結成半年の福岡女子大ボート部、全国3位 艇庫で寝泊まり…団結

西日本新聞 ふくおか版

 「どうしよう、やっちゃったよ」‐。昨年秋に結成したばかりの福岡女子大(福岡市東区)のボート部が伝統ある「朝日レガッタ」に初出場し、「女子舵(かじ)手付きクォドルプル」でいきなり3位に入賞する快挙を成し遂げた。ボートや練習場、選手を九州大漕艇(そうてい)部から借りているのが現状だが、本格的な体育会系のクラブがない福岡女子大の歴史に残るサプライズとなった。

 大会は72回目。滋賀県の琵琶湖で5月3~6日に開かれ、全国から選手がエントリーした。千メートルの同種目には一般・大学の13チームが出場。1位のみが決勝進出できる予選では敗れたが、敗者復活は1位で通過した。6艇で競う2日後の決勝。優勝した立命館大には差を広げられたが、ゴール直前まで龍谷大と激しく競り、惜しくも0・38秒の差で3位になった。

 「福岡女子大?」。会場はどよめきに包まれたが、それ以上に驚いたのがメンバーたち。部長の宮園ゆりあさん(20)=福岡女子大食・健康学科3年=は「緊張でオールをこぐのもそろってなくて…。とにかくパワー全開で頑張っただけでした」と振り返る。

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 ボート部結成の道のりは宮園さんが切り開いた。

 6年ほど前から、栄養管理を学ぶ食・健康学科の女子学生たちが九大漕艇部の艇庫(東区名島)で朝練を終えた選手たちの食事作りの支援を始めた。宮園さんは1年生の時に誘われ、ボートに乗せてもらった。スピード感や風の爽快さ…。すぐに魅了され、選手になると決意。九州大の男子と一緒に練習を始めた。

 ボート部は風のない早朝の練習が大切。福岡女子大の1年生は全員が寮生活で、宮園さんは朝練に出るため、寮が開門する午前5時に自転車で艇庫まで行き、授業が終わるとまた艇庫に戻る日々を過ごした。

 宮園さんが2年生になると、今大会にも出場した菅原未羽さん(20)と山口栞さん(21)=いずれも同学科2年=が選手として、朝日レガッタで声掛けのかじ取りを務めた安田楓さん(19)=同=ら9人が食事支援のマネジャーとして入部した。「福岡女子大としてどうしても大会に出たい」と昨年11月に大学に申請、同好会として認められた。

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 宮園さんと菅原さん、山口さんの3人は高校時代にバドミントンやバスケットボールなどの部活動に打ち込んできた。だが、進学した女子大には本格的な体育会系のクラブがなかった。「本気で取り組めるクラブをつくりたかった」。3人の思いは一つだった。

 ボート部の練習は週6日。宮園さんたち部員は宿泊機能を備えた九大の艇庫に泊まり、朝練に備える。授業を挟んで、夕方はトレーニング機器で下半身を鍛え、食事をみんなで作って、講義の課題をして、朝練のために早めに就寝する‐。仲間と寝食を共にするストイックな生活で団結力とパワーを磨いてきた。

 大学は違うが宮園さんたちにはもう一人の“チームメイト”がいる。九大漕艇部の唯一の女子選手、松永真梨子さん(19)=工学部建築学科2年=だ。高校からの経験者で、3人と一緒に練習を重ねてきた。クォドルプルはこぎ手が4人。松永さんに助っ人を求めると「すごいパワーの3人と一緒にやれるのはうれしい」と快諾された。

 福岡女子大ボート部の次の目標は松永さんも加えた県代表チームとしての国体出場。そのためには九州大会での優勝が必要になる。「絶対結果を残す」。新たな夢へ再び力を結集する。

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