終盤国会 「開店休業」は許されない

 通常国会は今月26日の会期末まで3週間となった。「言論の府」のはずなのに、与野党の論戦は極めて低調だ。

 3月に政府予算が成立して以降、衆参両院とも予算委員会がまったく開かれていないのは、その象徴である。国会の「開店休業」は許されない。

 予算委は単なる予算案審議のための常任委員会ではない。予算は国の政治全般に関わるという大局的な見地から、国政上のあらゆる重要課題について議論する場と位置付けられている。

 論戦のテーマがない、とは言わせない。「忖度(そんたく)」発言で辞任に追い込まれた塚田一郎元国土交通副大臣や、震災復興を巡る失言で事実上更迭された桜田義孝前五輪相に対する安倍晋三首相の任命責任はどうなのか。

 直近の景気動向や経済見通しを踏まえても、10月からの消費税増税の判断に変更はないか。

 トランプ大統領の強硬姿勢が懸念される日米貿易交渉や、北方領土返還を巡るロシアとの折衝、前提条件なしで金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長に向き合うと言明した首相の対北朝鮮政策など、外交課題も山積している。

 いずれも、首相をはじめ閣僚と各党の論客が一問一答形式で質疑する予算委を舞台にした論戦のテーマにふさわしい。激動する国内外の情勢に照らせば、国会の花形とされる予算委の「沈黙」は不自然ですらある。

 野党は繰り返し衆参両院で予算委を開くよう与党に申し入れている。しかし、与党は「必要に応じて各常任委員会で質疑している」などとして応じていない。これでは「予算委で議論をすれば選挙で不利になると考え、逃げている」と野党に批判されても仕方あるまい。

 夏に参院選が控えており、今国会で政府と与党は、与野党が真正面から対決するような法案の提出を控え、政府提出法案の数も絞り込んだ。参院選を意識した安全運転と言われるが、「数の力」を頼りにした法案審議だけが国会の役割ではない。

 内外情勢に即応して国政全般の問題を取り上げるとともに、立法府として行政府を不断に監視する機能が問われている。例えば統計不正の問題は一体どうなったのか。不正の核心が闇のままでは再発防止もおぼつかないのは当然だろう。

 国会の「開店休業」とは対照的に、国会の外では、首相が衆院を解散して参院選との同日選に持ち込むのではないか-という解散風を巡る発言が活発だ。解散権を握る首相自身までそれに言及する始末である。

 浮足立っている場合ではないはずだ。国会議員は国会で議論するのが「本業」ではないのか。改めてそう問いただしたい。

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